【見る】見た! 「翔んで埼玉」サイコー!

 スゴイ! こんなに遊んでいる映画は珍しいし、レベルがとても高い。(北)関東のそれぞれの県が抱かれているイメージがメチャ笑わせて、群馬出身のボクも腹の底から笑えたヨ。埼玉の中でも春日部が竪穴住宅に住んでいる設定なのは、いかにもそれらしく説得力を感じて腹を抱えて笑ったヨ。草加せんべいを踏絵に使うなど、隅から隅まで北関東をバカにしまくっていて笑いが止まらない。今回見なかった人には、ツタヤで借りてでも見ることをおススメします!

 映画界がこの作品をマジメに評価しているのもリッパ! 当然だけど。

【観る】映画「翔んで埼玉」  8日夜8時~、フジテレビ

 去年の釣り部の時だったか、ユウ君が近頃見た映画でとても面白かったという映画が、テレビで見られることとなった。ユウ君の話で覚えているのは、埼玉と千葉の闘いに東京が絡むようなストーリーだったと思うけど、そのハチャメチャぶりにスゴク興味を覚えていた。映画はほとんど観に行かないし、テレビでもあまり観ない習慣だけど、これはと思うものは何とか観るようにしている。「翔んで埼玉」もテレビでやったら絶対観ようと思っていたので、嬉しいネ。番組の解説によると、日本アカデミー賞でも12部門で優秀賞を獲得したそうだから、単に面白いだけの映画じゃなさそうだネ。

【状況への失言】大食いを番組にするナ!!!  ギャル曽根

 最近また大食いをネタにする番組が増えてきたので、実に腹立たしい! フツーのお笑い番組なのに、ミキや四千等身などの売れっ子芸人に大食を無理強いさせている例もあって不愉快千万! 食い過ぎて苦しんでいる人間を見て、何が面白いのだか全く分からん! 芸人には芸を競わせる、という正道を歩ませて上げなければならないネ。

 人並み外れて大食いができるという異常体質を自慢するという発想は、ハンバーグの早食い同様で他に芸のないアメリカ人らしい印象だネ。安倍政権(自民党)が何でもアメリカに追随する歩調に合わせる必要などないのに、大食いをテレビ番組で取り上げて大騒ぎするなど呆れるばかり。むかし一時的にブームになり、ギャル曽根などという大食いだけのドブス(他の女性タレントが化粧前の顔を見てドブスぶりに感動していたことがあったヨ)を世に出して終りと思っていたのに、また不愉快極まる大食いを見せられるとは、情けない限りだネ。

 世界には食(飢え)に苦しみ・死んでいく人がいるのを見せらて気持が落ち込むのに、食物で遊ぶなどと許せないネ! 番組を作る側も、それを見て楽しんでいる視聴者も、面白ければ何でも許されると思わないで自制してもらいたいものだ。安倍政権にならって何でもやり放題、というのは絶対にゆるせないヨ!

【読む】『村上春樹と1980年代』(おうふう) 早川香世「踊る小人」論

 宇佐美毅さんと千田洋幸さんが監修している春樹論集シリーズ、全3冊中の最初のもの。続く「1990年代」や「二十一世紀」よりも読んでいる作品が多いので、論文も読みたくなるのも道理。あまり熱心なハルキの読者じゃないけれど、在職中は学生の好みに合わせながら最初の頃の作品集は授業のテキストにしたものも多く、したがって作品論にも関心があるわけだ。最近必要があって取り出してきた「1980年代」の中では、宇佐美さんの一般論以外に大川武司クンの「中国行きのスロウ・ボート」と「午後の最後の芝生」を中心に論じたものと、早川香世さんの「踊る小人」論は〈既読〉だった。2つの作品論の印象・評価は、とても良好だったという印が付いていた。

 千田研究室の属していた人など、知っている論者が多い中で次に何を読もうか考えているうちに、奇異な読後感が残っている「踊る小人」がどんな風に論じられていたかが気になり、早川論を覗いているうちに最後まで読んでしまった。大川クンの論もそうだけれど、ボクには思いもつかない発想で論じていて種々教えられるネ。

 

 《本作は、実際には、「異世界」の構築、提示よりも、むしろ「異世界」が歪み、変容していく過程が中心に描かれていくのであり、それは同時に語り手である「僕」の認識自体が「現実」/「夢」の間を動いていく過程なのである。》

 というのが読みの基本軸だけれど、教えれらたのは「僕」が小人のお蔭で女の子を「モノ」にしようとすると、彼女の顔が腐って溶け出す場面を《過剰なまでの身体性を導入していく瞬間》として捉え、象工場の記述が対照的に「身体性」が欠如している、という構図を指摘された時にはチョッと衝撃だったネ。顔が腐っている様子の描写が過剰すぎて理解できなかったけど、ナルホドそう対照的に捉えれば納得できたからネ。今さらながら授業の時にこの論文が出ていたら、と残念だったネ。読むに十分値する論だから、おススメだヨ。

 

 ただし気になったのは、どう見ても「ファウスト」のパロディだと思われるのに(授業では指摘したけど)、全然言及されてないことネ。ちなみに『村上春樹作品研究事典』(鼎書房)の解説(末國善己)を見ても、一言も触れていない。のみならず《著者自身の全共闘体験など、小人の寓意性の解読に目がいくだろう》などと、作者まで呼び込むという初歩的な誤りまで犯している。それにしても全共闘体験などを引き合いに出すなど、呆れてものが言えないネ。

 テクストは引用の織物だと想起すれば、己の思いを達成するためにメフィストフェレスに己が魂を売り渡す、というファウスト博士の物語をなぞっていることを知っておかねばならないだろネ。死んだ女の顔が腐って溶け出すという場面でも、その類の伝説なり物語なりを(特定しにくいかもしれないものの)前提に読まなければならないだろうネ。自分の読みに取り込むか否かは別にしても、知らないままなのは困るよネ。

【近況報告】健康な酒生活  【読む】阿部公彦

 昨夜は久しぶりに頻尿にジャマされずに睡眠がとれて、脳も身体も元気だという自覚が持てたので、夜は美味しく呑めそうで楽しみにしながら暮らしたネ。ユウ君にアマゾンに注文してもらった阿部公彦『幼さという戦略』(朝日選書、2015年)という本を中心に、読書が捗ったヨ。いよいよ午前0時の「夕食時」になったけれど、空腹だったので入浴前に冷えた「甲州ワイン」(旧称ぺロリンからのいただきもの)の残りをチョッと呑んでから入浴。タップリ暖まってからはもちろんビール、アマッチに呑ませてもらったことのあるプレミアム・モルツの「〈香る〉エール」(近所の生協にあった)がひときわ美味!

その後はエビとイカのフライに合わせて赤ワイン(先日開けさせてもらったオッチャンからの祝い酒)の残りをチョッと味わった。量は呑めなくても、美味な酒類は十分楽しめたネ。《酒とオンナは量より質》とは言うまでもなしだしネ。

 体重は3キロ減のままだけど、至って健康な生活の戻れた気持になれてます。ビールやワイン以外の酒を呑めるようになれば完全回復でしょうが、焦る必要もないので酒のある生活を楽しんでいます。というわけで心配いただいた皆さん、ご安心下さい!

 

 阿部公彦さんのことは在職中にキッド君から聞いて『文学を〈凝視する〉』(岩波書店、2012年)という本をゲットしたものの、目次の面白さにワクワクしながらも読めないまま放置しているといういつものパターン。今度の『幼さという戦略』もハルキや太宰だけでなく、古井由吉小島信夫も目次に並んでいるのでしばらく熱中しそう。早速ハルキ論を読んでみたら、実に面白い。総じてハルキは誰でも論じることができる割には面白い論が少ないと感じているけれど、阿部さんの本論はじつに示唆的で刺激される。比較的最近読んだばかりの「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を中心に論じているのだけれど、想定外に展開される論は十分楽しめるのでおススメ。

 こんなに面白く論じる力があるのに、記憶では「100分で名著」で漱石を取り上げていたものの、あまりパッとしなかったのも阿部さんだったと思うので、それが漱石の難しさなのかナ、とも思ったネ。

【見る】「ぶらぶら美術館」 ブルーノ・タウト  「100分 de 名著」  ハヴェル

 「ぶらぶら美術館」に触れたら、ちょうど今夜やっていて有り難いことにブルーノ・タウトについて解説してくれていたヨ。都美術館と共にボクがよく行く新橋のパナソニック美術館で、今は「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」展というのを開催しているのでタウトの作品が展示されているのだネ。椅子その他、確かにモダンそのものだネ。今日もマリちゃんはタウトが伊勢神宮桂離宮を評価する一方、東照宮をけなしていたことも知ってたネ(小木はもちろん矢作も知らなかったナ)。ボクも東照宮はゴテゴテして嫌いだけど、タウトのように建築として美意識が許さないだけでなく、大嫌いな家康が祀ってあるのでイヤなんだネ。

 タウトと言えば、安吾が同名の「日本文化私観」を批判しているけど、実は以前安吾を視野に置きつつタウトの「日本文化私観」を読み始めたままで、未だに放置したままなのだナ。我ながら何でも途中で放置してあるので、呆れるばかり、ハンセイ! 

 

 釣り部の定宿「北見」で尿管結石の痛みに耐えつつ、仲間の皆さんが歓談しているのを聞いていたら、「100分で名著」の「カラマーゾフの兄弟」が話題になっていたので嬉しかったのを忘れない。ボクが推薦している番組だからかどうかは不明ながら、結果オーライだから問題なし。数人が見てるという声の中に、イヤラシ君がカラマーゾフを語っているように聞こえたので意外な喜びを感じたのだナ。イヤラシ君というと琴光輝とかいう相撲取りに似ているけど、ドストエフスキーを語るには似つかわしくないからだネ。痛みで聞き違ったのかもしれないけど、この番組の今回はチェコの大統領にもなった作家・ハヴェルを取り上げているのでおススメします。テーマは「ポスト全体主義」だそうだけど、ソ連の抑圧に抵抗し続けたチェコの歴史に沿いつつ、有名なクンデラにも触れているのでとても勉強になるネ(月曜にチョッと聴いただけ)。明日の水曜午前5時半と午前12時からの2回、再放送があるから録画してでも見るとイイよ。

【見る】「知恵泉」  サヘラ・ローズ  出口治明  高橋昌明

知恵泉(ちえいず)」(Eテレ・火曜午後10時~、再放送・火曜午前12時~)

については番組名の由来も含めて何度か記したことがあるけれど、毎回歴史などの専門家とゲスト2人(男女1人ずつが多い)が歴史的人物について歓談する番組だ。個人的にはゲストは不要で専門家の話をじっくり聞きたいので、ゲストは不要だと思うし殊に女性ゲストがだいたいおバカで話にならないのが番組のキズだネ。例えば先般ブログに記した、遼河はるひとかいう元宝塚だけが売りの無能なタレントは、とり得がないのにあちこちの番組に出過ぎだネ。見た目が美しければ見栄えに満足できるけれど、ブスが入り過ぎて見ていられないネ。

 その点、今日の「清盛」の再放送に出ていたサヘラ・ローズというイラン人美女には、昔から大満足だネ。日本の歴史上の人物を取り上げる番組だから、彼女の出番は無いと思っていたものの、意外にもキチンと対応して会話のレベルを上げていたのは驚きだったネ。イランの政治状況のため、母子で言葉に尽くせない苦労をした人だけど、知識も知性も具えているので感心したものだ。しょうもないバカタレなど使わずに、サヘラをもっと活用してもらいたいものだ。別の番組でいえば、「ぶらぶら美術館」のマリちゃんのようなものだネ。見た目が好いので、小木博明おぎやはぎ)のバカに腹が立っても、マリちゃんのお蔭で抑えることができるようなものだネ。もちろん小木が番組から降りてくれれば言うことなし、なンだけどネ。

 

 出過ぎといえば、今日の出口治明というゲストも飽きているネ。生命保険をネットで始めて成功した末、今や立命系の大学学長だそうだけれど、目先のことには知恵が働きそうだけど、言うことがワン・パターンでそもそもの切れ味がないのでもう願い下げだネ。飽きてきたせいか、タンがからんだようなダミ声が聞くに耐えなくなっているヨ。もうテレビ出演を止めて、大学運営に打ち込んでもらいたいナ。

 今回の専門家であった高橋昌明さんの発言にハッと思って続きを聴こうとすると、店長(アナウンサー)が出口に話を振ったりするので興ざめだったネ。高橋さん、面白そう。