【見る】放送大学「日本美術史の近代とその外部」「舞台芸術の魅力」  稲賀繁美はスゲエ!

 深夜番組をおススメしていたら、間もなく始まるテレビ放送大学の「日本美術史~」(7時半から3コマ)も勧めたくなった。今まで何度も紹介したことがあるけど、放送大学では最高に充実した番組だネ。講師の稲賀繁美さんは現代美術にも明るいので、近代美術に対する造詣の深さが生きていて極めて刺激的な講義をしてくれる。放送大学専任の青山が担当している「西洋芸術の歴史と理論」が誰でも講義できるブッキッシュな死んだ内容であるのと比べると、稲賀さんの実力がハンパナイレベルであることが判る。最初の2回は透視図法をめぐった内容で、第3回(9時~)のマネがメチャ面白いので特におススメ! スキャンダラスでもあって有名な「オリンピア」(裸の娼婦をビーナスに仕立てた作品)を、画中の人になりきる画法の森村泰昌がこの娼婦に化けた作品「肖像《双子》」がとても刺激的であり、さらに森村自身がゲストで登場して解説したり、稲賀さんが自分の解釈を紹介しているのがまた面白すぎる。

 

 今日は終ってしまったけど、昼間の3時45分から3コマずつ「舞台芸術の魅力」もおススメだネ。これもオペラやミュージカルを担当している青山の話が低レベルなのを除くと、とっても面白い講義だヨ。もちろんシェークスピアやバレエ、それに現代演劇の講義もあるヨ。

【見る】鷗外の子孫の命名など  「プレミアム・カフェ」

 NHKBSプレミアム(朝9時~、再放送深夜0時~)の「プレミアム・カフェ」が文豪の逸話を連載した番組の再放送をやり始めた。今日は鴎外で、長女の茉莉の女婿(娘のムコ)山田珠樹との間にできた初孫である男子の命名をめぐり、山田家との確執が展開される模様を面白可笑しく再現している。鷗外の案は、爵という漢字の冠の部分を「木」にしたもので「じゃく」と読ませるというもの。茉莉が西洋名前のマリーを意識したもので、鷗外が子供たちに西洋名前に音が通じる名前を付けたのは周知のことだろう。

 最初の妻(登志子)との間にできた長男の於菟(おと)をはじめとして、茉莉・杏奴(あんぬ)・類(るい)と付けた勢いで初孫に爵(本来の漢字はテレビで確認してもらいたい)と付けたかったようだ。珠樹がフランス文学者だったのを受け継ぎ、山田爵も東大でフランス文学の教員となった(若き三好行雄師も同僚だった時期があったと記憶する)。珠樹がフランス留学の際も、鷗外は意図どおり茉莉を同行させたと覚えている。鷗外が子供たちを可愛がり、子供たちも鷗外の回想を書く時に父への愛慕の念を表現しているのは有名な話(?)。しかし『晩年の父』(岩波文庫)の筆者である小堀杏奴は手放しで絶賛している一方で、意識家である(?)茉莉は数種の思い出話で父に対する批評的な眼差しを保持しているのも面白い。問題児だった末っ子の類の本は読んでないので語れない。

 ともあれ当時の日本にあっては珍しい、千駄木森林太郎(「しんりん・たろう」じゃない)の家における父子(早く自立した長男は除く)の微笑ましい生活が描かれている。番組後には高橋源一郎が解説しているけど、鷗外の故郷を「津山」と言ったような気がしたのはボクの聴覚の老化かな。正しくは津和野で複数回訪れたボクが(1度は修学旅行の引率)、死ぬまで1度は行くことをススメる素晴らし小さな田舎町。後半は故・立松和平が独特の語り口で千駄木や上野の鷗外の家を探訪しつつ紹介している。

 

【近況】腕は投薬治療の持続だって

 暑い中だけど市内の病院だった点は楽だったけど、珍しく午前中に行ったら薬局を含めてメチャ待たされたヨ。お蔭で預かった論文をチェックをするために読んでいる、ハルキの「風の歌を聴け」がかなり進んだヨ。久しぶりの再読だから新鮮味が無いけど、時々上手い表現だナと感心することがあるネ。診断としては腕のシビレがとれないので、また1ケ月毎食後に薬を飲まなければならないヨ。

 明日は距離的には近い病院だけど、JRを乗り継いで行かなければならない所なのでメンドーだけど仕方ない。結石はたぶん留まったままだろうけど、医者にチェックしてもらうと安心できるネ。ハルキは明日読み終わるかも。

【近況】元気回復

 最近ダルイと記したので心配いただいたメールももらったけど、それほどの大事じゃないのでご安心ください。

 今日は都心で昼間から呑む会合だったので3時間ほどの睡眠をとってから出かけたけど、早めに引き上げてきて夕方から11時過ぎまで寝ていたらだいぶ元気になった気がしてるヨ。途中で尿タイムで起きたり、「鎌倉殿」などを見る時間もあったけどネ。その間まったく食べなかったのは(水分補給はした)食欲も無かったからだネ。食べるより眠れ、という身体の言うことを聞いたわけだネ。

 ダルイ感じだったのは、季節の変わり目も要因の1つなのだろうけど、年来の頻繁な尿タイムのお蔭で続けて2時間以上眠れないためも大きいのだと思う。その代わりのように、昼夜を問わずによく寝入ってしまう。食後すぐにイスに座ったまま眠ってしまうことも多い。食事のトレイを片付けて布団に横たわればイイのだけれど、アッという間に眠ってしまうので困ったもンだ。

【見る】今回発表された芥川賞候補作  鈴木涼美も候補作?

 テレビ番組表で放映される直前に気付いた「ETV特集 史上初! 全員女性 第167回芥川賞を読む」という番組がメチャ面白かったので、再放送などで見ることをおススメします。とっても面白かったヨ!

 若い頃と違って芥川賞受賞作を読もうという気が薄らいで久しいので、何度もおススメしあヒッキ―先生の大著も作品を読んでないので、論の方も実は未読のまま。今回受賞した作品名は思い出せないけど、番組には候補となった女性5人とも出て自作について語っていたのが貴重だネ。高橋隼子・年森瑛・山下○加・鈴木涼美・小砂川チトの5名の中、前3人の話も作品も興味深いので受賞は3名でも良かったという印象だネ。

 高橋が「おいしい」という言葉が付く作品だと思うけど、受賞も納得だネ。山下の作品は「あくてえ」という表題でメチャ面白そうだけど、受賞したかどうかは知らない。解説ではどれもが「正しさ」をめぐるテーマだそうだけど、これなら読みやすそうだし読んでみようという気にもなるネ。ヒッキ―先生が論じているのはヴァラエティが広すぎる分、難しそうだしネ。もちろん手をつけるのはヒッキ―本で論じられている小説が先だけどネ、ゲットしてあるのも多いし。

 鈴木涼美は聞き覚えがあると思ったら、先般安倍晋三を「偶像」視しているチョッと足りない人じゃないかと思わせた人だネ。そう言えば芥川賞候補になったという紹介が記してあったナ。芥川賞は前にも言ったとおり、(ある小説が話題になって文学作品が売れるようにするため)話題作りのために賞を与えようとしたがるので、風俗嬢の体験を持つ鈴木を候補にした面もあるだろネ。その手の話題以上のものが表現できているとも思えない話し方だし、作品の一部の朗読を聴いても才能は伝わってこなかったネ。

 朗読といえば、石橋奈津美という女優が全部読んでいたけど、全体としては上手だったものの年森の作品だったかの「まっすぐ」のアクセントが変だったネ。どこの方言なのかな? 

 ついでながらの違和感なのだけど、放送大学のテレビとラジオの歴史担当者2人のアクセントには不快感が拭えないネ。

【近況】身体がダルイ

 気付いたらブログの更新ができてない。心配してくれる向きもあるかもしれないけど、無事なのでご安心! ただ季節の変わり目のせいか、ダルクて眠くて仕方ない。この2日間は寝てばかりいたヨ。きょう25日は朝から都心まで出かける用件があるからネ。たくさん寝たお蔭で出かける元気は回復したかな。

 この3週間ほどか、ぜん息の吸入を続けていても数値が平均以下なのも気になるネ。もちろん呼吸は異常なくできているのだけどネ。左腕の手根管症候群も完治しないままだネ、毎食後の1ケ月分の薬は飲み尽くしたのだけどナ。病院へ行った時と比べるとかなり良くなっているのだけれど、軽いシビレが残ったままなのだネ。

 明日を乗り切ればまた元気になると思うので、ご心配なく!

【状況への失言】汚倫豚(オリンピッグ)の高橋治之、カドカワもアオキも    汚倫豚にした日本の立役者は森末慎二

 新聞ではなくテレビのニュースからの情報なのだけど、アメリカのパタゴニアという企業が自社の株式などの利益を全て地球環境のために寄贈するとか聞いて、近年にない心温まる気持になったヨ。なにせ国民の過半数が反対している中で、極悪人の安倍晋三国葬にするという不愉快きわまる状況にいる最中だからネ。おまけにオリンピックがらみのカネの問題でも、汚らしい不快な話題がふくらむ一方だしネ。

 人間が権力を持つとすぐにカネに卑しくなるのはどこにでもある話で、その点では話題の罪人・高橋治之が特別に悪人というわけでもない。むしろパタゴニアのトップがカネにキレイなところを見せたのが珍しいからこそ、心を打つのだネ。だた素直に理解しにくいのは、罪悪とは知りながらも大金を自分のものにしたがるという心理だネ。そもそもそんなにカネを集めて何に使うのかまったく理解できないからネ。数年前には世界に数人しかいないというオリンピック委員が、某国への招致に尽くすのを条件に天文学的なカネを受け取って問題になったのも覚えているけど、そんなカネ使い道がないだろに。

 

 ボクみたいにオリンピック自体に反対した人も少なくなかったと記憶するけど、歓迎した国民の気持に遅まきながら泥を塗ったのが高橋治之をはじめとするカネの亡者たちだネ。安物のスーツというイメージのアオキがオリンピックのユニホームを担当したのも意外だったけど、カネがからんでいたと思えば納得だネ。安物からのイメチェンもできる上に、売り上げが極端にアップするのをねらっていたのだろネ。カドカワの爺はボケて似たような魂胆が湧き上がって醜態をさらすことになったということかな。そろって倫理を汚してカネに集まった豚どもがオリンピックを汚倫豚(オリンピッグ)にしてしまったというお粗末な話。

 そもそもオリンピックは「アマチュアの祭典」と言われたカネと無縁な祭だったのだけど、世界の傾向に乗った体操選手・森末慎二が音頭をとってカネに結び付けてしまったのだネ。あの頃の森末はテレビに出るたびに「オリンピックはカネになる!」と連呼していたものだった。確かにアマチュア時代は自費で海外の会場に参加しなければならなかったのは非合理だったけれど、スポンサーが付いてその点が解消されたのは良かったものの、それだけに止まるはずもなく全体がカネで動くようになって汚倫豚にまで行き着いたわけだネ。アメリカン・マネー(オリンピックそのもののスポンサーと言えるアメリカのメディア)の意向で開催の時期まで決定づけられてしまうのだから、ノーテンキに「ガンバレ、ニッポン!」などと連呼している姿を真っ当に見ちゃいられないヨ。