2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

町田康はゼッタイ面白い

この女子トリオで町田康か、という心配のとおりのレジュメと議論展開でしたが、レジュメが問題提起に満ちていたので私の言う「レポいじめ」で盛り上がりました。ちょうど「日本文学概論」で講義していたところながら、<人間は物語から逃れられない>という…

森敦の最後は「鷗」で、次はハルキ

前回はさすがに西村クンという「酩酊船」論で結構議論が楽しめましたが、個人的には「草枕」のパロディと見えてきた点が面白かったです。結末が、乗り物が汽車から船にズラされながらも主人公の<美学>が成立するというところは、漱石作品を意識しないわけ…

朋あり、「近方」より来たる

驚いたネ、ユゼちゃんが生協に居たとは! 今日わずか100メートルも離れていない生協から訪ねてきてくれたんだネ。名前も顔も覚えていたけど、最初に顔だけ出されても名前は出てこなかっただろうネ、いつものように。どの学年か不明だったけど、サイチヨ(…

太宰論、最後もレポの自滅(?)、次は安吾

このところ難解なテクストが続いてましたが、最後は「彼は昔の彼ならず」という分かり易い楽しいテクストで気軽に議論できるかなという予想に反して、レポが袋だたきにあっているような時間でした。留学生は仕方ないとしても、レポの意見がしっかりしていな…

アイちゃん得意のアノ話題に、、、

「アトミック・エイジの守護神」などというショーモナイばかりのテクストから、いきなりマスターベイションの害悪を読んでしまうアイちゃんの切れ味には、相変わらずビックリするばかりでした。5限の授業の人がいなくなってから、中年男とエンダバニンギ(…

大江の後は川上弘美

今日は発言デビューをした人を含めて大いに盛り上がって司会役としてはヒマで、ゼミとしては理想的な状態ということです。ご意見番のジェームス君が留守だったせいではないと思いますが、来週以降もこうありたいと願っています。反面、イイ気持になっていた…

太宰(松本和也)の後はチョッと安吾(押野武志)

難しいテクストの後は易しすぎる感じの「思ひ出」でしたが、松本氏の論文がチョッと難しかったかも。それでもレポ二人とも何とか要約はできていたので良かったものの、易しいテクストがかえって読むのに困難を覚えたようです。先行研究に縛られて、言うこと…

開高健

1年生の青木クンのデビューです。終了後の皆の感想のとおり、よく頑張りました。「レジュメの体をなしていて良かった。」という感想がハマっていました。最近、近代文学づいているサトマンも<読む>姿勢が全面に出ていて評価できましたが、短いテキストで…

歯車(龍之介)が見えた?

19日(土)は昭和文学会の春季大会、20日(日)は桐原書店の教科書編集会議でタイヘンな週末だったんだよネ。教科書の方は20日までに沢山の資料を読んでおかなければならないので、それもタイヘンでネ。土日がつぶれると疲れが溜まったまま次週が始ま…

春夫の後は古井に変更

来週は春夫の最後で「女人焚死」で、その後は川端だった予定が古井由吉に変更されました(2回の予定)。 春夫の「のんしゃらん記録」はテクストとしてはツマラナイものですが、不思議な味わいが感じられます。「蟹工船」の年に春夫がこんなものを発表したの…

怪文書?

社会科のある先生が国語のA先生に「あなた方を非難する文書が出回っています」という情報を好意で伝える際に、書き手は関谷ではないかと思われている、と付け足したとか。A先生達とは友好な関係を結んでいるので有り得ないハナシなのだが、それ以上に私は…

川上弘美に決まり! 大江の次回は「犬の世界」

大江が終わったら川上弘美を読みます。菊池寛・大江・川上、という文学史的には異なる時代の作家を取り上げることになります。テキストは「蛇を踏む」(文春文庫)。 今回の「敬老週間」はサトマンにケチを付けられるほどツマラナイ作品でしたが、レポにはそ…

次はキンちゃんの「思ひ出」?

皆でキンちゃんの思い出を語り合おう、ということではありませぬ! 松本和也の別の太宰論からキンちゃんが易しい(読みやすい?)作品を選んだ結果、「思ひ出」をやることになりました。 今回の「二十世紀旗手」は先週に引き続いてタイヘンなテクストで、レ…

次は開高健「或る声」

今回の「浣腸とマリア」、久しぶりの野坂体験でしたが、、、あまり楽しめないテクストでした。お約束のパターンをなぞるかのような展開の仕方でしたが、何故ホモになっちまうのかは納得できませんでした。但し文体は相変わらずスバラシイ! お勧めした「エロ…

18日は休講

教育実習校の研究授業を観に行かねばならないので、今週は休講です。次回25日は「酩酊船」ですが、テキストに不備があるそうなので(コラッ! 安原!)脱落ページは(一橋大生は西村クンが用意してくれるので)6階の資料室まで、学大生は21日の月曜以降…

春夫も結構面白い

佐藤春夫第一回、レジュメも議論も面白かったです。授業でも言いましたが、こうしたロマンをリアリズム小説として読もうとしても、所詮ムリが生じます。フロオランスが消えてしまうのはテクストの必然で、物語が彼女を殺した(消した)と読めばいいんじゃな…

夏の文学教室(講演会)の招待券あげます

恒例の日本近代文学館の連続講演会の招待券をあげますが(期日と内容はネットで検索のこと)、7月27と29日は3枚とも全部無くなりました。他の日にちのものは残部がありますから、イチローまで電話かメールで連絡下さい。立教の院生・修了生は立教の学…

森敦、次回は「天上の眺め」

一橋大の授業は金曜なので、終了してから土日を挟むため授業連絡の更新を忘れがちになり、ご迷惑をお掛けしています。 先週の森敦第1回「月山」のレジュメは、作家の自己言及であるエッセイ「意味の変容」に囚われすぎて、読みの自由を束縛してしまった感じ…

カメヨンは名司会者

発表すると脇道が多すぎたり、議論をするとズレてしまったりと、才媛と見せかけてボロを出しがちなカメヨンですが、司会をさせると全員が認める優れものでした。トシの功ちゅうのかな? ゴメン! それにしても大正期谷崎のツマラナイテクストを、レポ二人が…

レポ粉砕?

レポ担当を逃げ回っていると、今日のように難しいテクストを引き受けざるをえなくなる。「虚構の春」を真っ向から論じられる研究者も数少ないはず。今日のレポの一人は自分の読みが出せないというので出席を回避したが、研究生だから許すとしよう。もう一人…

レポ、頑張りました(大江、その2)

国語以外の二人のレポでしたが、自分の読みを出しつつ議論もできて安心しました。「不満足」というテクスト自体が底の浅い、拡がりようも無いものだと思いますが、それを議論ができるようにしたということは手柄でしょう。アイちゃんのような独特な切り口(…

来週から春夫

講義では「西班牙犬の家」を何度かやったことがありますが、ゼミで春夫を取り上げるのは初めてです。「F・O・U」から。 今日は最後の志賀で「焚火」。半田クンが予想どおりに遅れて、予想以上に薄いレジュメで一緒に発表した留学生にオンブされた情けない…

中也の会・堀江敏幸・佐藤クンと同級生なのは? 

昨日、と言っても昭和ゼミの呑み会の後に書いたブログ記事を読んで苦笑。青学院生の佐藤クンが誰と同級生かが記されていないので、読みようによってはボクと同級生の御仁(オジン?)かと勘違いしたヒトがいるかも、と思って笑えました。実際はオッサンと呼…

次回の大江は「不満足」

大江作品第一回の今日は「スパルタ教育」で、レポの二人がヤル気を見せて挑発したので活発な議論となりました。眠り男のアベ君が懸命に自分の読みを出そうとガンバッテいたのに、遅れて来たショウジさんがひたすら眠っていたのでカワイソーでした(予習して…

次回は「虚構の春」、松本テキストは第4章

作品は各自用意してもらっている新潮文庫『二十世紀旗手』に収録されています。 今日の「姥捨」は松本論を始めとする最近の先行研究の切れ味に押され気味で、珍しく議論が盛り下がってしまいました。読むのは簡単なテキストですが、研究史の上で論じようとす…

佐藤春夫のテキスト配布中

来週から春夫の短編を読みますが、6月10日の「F・O・U」のテキストは今日TAの野澤さんが作ってくれました。例の引き出しに入っています。なおこの作品を含めて岩波文庫『美しき町・西班牙犬の家』(全8編)が出ています。興味のある人は具えるといいでし…

森敦のテキスト配布中

TAの吉岡クンが「月山」以降のテキストを作ってくれました。一橋大生は6階の資料室まで、学大生は取りに来て下さい。なお周知したように、第一回の6月4日のテキスト「月山」は長いので各自用意して下さい。「芥川賞全集」第10巻や「昭和文学全集」にも…