2017-06-08から1日間の記事一覧

「小僧の神様」  吉田修一

野口武彦と関谷一郎の優れた論が先行するので、この作品で何か言おうとするのは困難だろうと心配したとおりの結果となった。 留学生が先行研究をよく集めていて、その中から三好行雄師のものを引用していたのはチョッと驚き。 学燈社だったか大きな文学アル…

千田洋幸の「或る女」論

法政大の留学生院生が「或る女」論で修論を書くというので、多忙な専任教員のお手伝いで助言することになった。 「カインの末裔」はじめとする有島の短篇は大好きだけど、「或る女」は入りにくくて通読できたためしがない(その手の小説は「夜明け前」を筆頭…