「彼岸過迄」その2

新野見クンのデビュー発表。
自覚している通り、柄谷行人に依拠しながら切れ味の良い発表で、さながら新野見行人の講演会?
ボクが学生の頃に読まなくなったの柄谷が連載していた「内省と遡行」や「探究」を読み込んでいるので、世代の違いを痛感。
ボクが面白がったのは、『畏怖する人間』『意味という病』『近代文学の起源』、それに『マスクス、その可能性の中心』あたりです。
柄谷の「漱石アレゴリー」の論を敷衍しようとしながらも、柄谷自身が曖昧にしたままのところを言いきろうとした分、新野見説がスッキリとは行かなかったのも已むをえない。
彼岸過迄」を須永の物語として押さえ、「探究Ⅰ」における<他者>規定を有効に援用した発表は、学生にとってもボクにとっても刺激的だった。
次回は「彼岸過迄」の3回目。