三島「海と夕焼け」は面白い   次回は中島敦「名人伝」

とても好い味わいの作品なのだが、その好さを解き明かしてくれている先行文献が無い。
小埜裕二さんの論があるが、キリスト教か仏教かというツマラナイ問題に囚われている。
そういう中で、レポが何とか自分の読みを作ろうとして結果を出してきたのは感心!
特にイズミンのは今後の作品論に対する刺激ともなり、前提(叩き台)にもなり得るリッパな立論。
学ぶべきは「〜〜は何故か?」という自問の作り方であり(拙著『シドク』前書き参照)、評価すべきはそれ対して創った自答の切れ味だ。
授業や自主ゼミを通して身に着けた「焦点化」等の知識とテクスト分析等の能力が存分に発揮されていて、十分手ごたえを感じた。
気になる者はレジュメを読め、と言いたいものの、余りがゼロという完璧な発表(?)でした。