横光の「蠅」の新読みチャレンジ!  「焦点化」の資料あげます

「蠅」論は読み飽きた感じがしていたので期待せずに行ったら驚かされた。
Iさんの<蠅が馬の汗を舐めるのは、馬の労をねぎらっているのであり、死に行く馬への別れの挨拶だ。>という斬新極まる読みにはビックリ!
蠅の視点は昔から指摘されてはいるが、蠅に「内的焦点化」して蠅の内面をも語っているとするのは、斬新過ぎて受け入れがたいのはトシのせいかな?
力のあるIさんだけに、先行研究も読んでだ上での挑発的な読みを提起したのだろうけど、突飛すぎてどうも・・・
オモシロければいい、という批評とは異なり、論理が根本になるべき研究では、テクストからの傍証が不可欠。う〜む・・・
Sさんは安定した読みを出していたけれど、猫背の馭者の肉体的な特徴が精神の奇怪さの表象だと読む際に、先行研究のオモシロイ指摘を無視したのはザンネン!
出来立ての誰も手を付けない饅頭を食わないといられないというのは処女に対する過剰なこだわりであり、そもそも饅頭には女性器という意味があるというのを知らなかったゆえの無視だったようだ。
その場で調べてくれたヒトが言ったように、日本国語大辞典にも出ている意味で、本来は横光が生まれた福島の方言なのだそうだ。
授業中に配布できなかった「焦点化」の資料を用意して待ってます。
研究室に来れば渡しますから、ついでの折にどうぞ。
質問や資料入手のために研究室に来るヒトは、「関谷ゼミブログ」の「在室予定日」をチェックしてから来て下さい。
レポートを提出する人もどうぞ。