谷崎「蓼食う虫」

モッチ君が1回で終わらせると公言するほど自信の発表だったが、案の定挫折。
その意欲は評価したいが、レジュメが五味渕典嗣の論を相対化できずに依りかかり過ぎて、自身の言葉・読みを見失って混乱してしまった。
レジュメではできるだけカットしたそうながら、ロラン・バルト『表徴の帝国』の引用をそのまま使ってしまう所に現れてしまったように、五味渕論にも典型的な新理論の援用が露骨な研究スタイルに、モッチ君が相変わらず惹かれていたための勇み足的混乱だろう。
その点は本人もハンセイしていたが、若いヒトにはあまり蓄積が無いので諸理論に頼りがちになるのは已むをえない傾向。
五味渕さんと葉名尻さんとを取り違えていたのは、私のような老化の傾向。
次回も作品は変更せずにワタル君が挑戦するが、モッチ君の再挑戦でもありたい。
その次の谷崎作品は「夢の浮橋」だが、文庫は中公だそうです。