坂口安吾、26日は「真珠」

小林秀雄から安吾に代わると急に易しくなる気がするかもしれないけれど、個人的には安吾の方がズッと難しいと思う。
拙著『シドク〜〜漱石から太宰まで』にも安吾論が収録されているが、そこで論じたのは整序化しやすい(分かりやすい)作品だけだった。
その後、安吾テクストの奥深さにやっと気付き、今一番関心のある作家になっている。
とはいえ教員生活をしていると安吾に打ち込める時間的余裕が無いので、来年3月の定年退職以降を楽しみにしつつも、立教院の優れもの達とオモシロ論文と対決しつつ安吾に取り組んでおきたい。
京都・桃山学院大学で開催された安吾研究会の席では準備不足で質問には応えてもらえなかった大澤真幸氏が、テキストに寄せた論文集ではどこまで課題を深化してくれていつか楽しみであり、川村湊林淑美松本和也といった安吾専門でない切れ者達の論考にワクワク気味しつつ『坂口安吾 復興期の精神』(双文社)を一般にもお勧めしておきたい。
「真珠」以降のレポーターがスンナリ決まってくれればいいのだが・・・