矢野利裕  群像新人賞

ブログ記事が後手後手続きで申し訳ないけれど、学大院修了生の矢野クンが群像新人賞(評論優秀作)を受賞してバンバンイ!
修論の対象である町田康論だけれど、『群像』6月号を読むと格段の進歩で驚くばかり。
書き慣れている感じを受けるのは、音楽評論では既に知られた(未読)存在だそうだからと思われる。
町田康はモノスゴク面白い作品を書き続けているものの、どう論じたらいいのかはとても難しい作家だ。
その町田文学の魅力を分かりやすく論じていて読ませるのでお勧めする。
イムリーなことに、7月13日にヒグラシゼミで矢野クンが町田論で発表してくれることになっているので、お楽しみに!

ボッキマン(松波太郎)やカネシロー(金城孝裕)という小説で新人賞を受賞した仲間は出たが、評論の賞を受けたのは初めてで貴重。
ボッキマン太郎の近著『LIFE』は講談社なので、矢野クンは会う機会があったそうだで、ボッキマンという愛称が話題になったとか。
今や安定して作品を発表している一人前の作家というイメージだが、カネシローの斬新さの方が芥川賞に近いかもしれない(集英社の新人賞なのが弱みか?)
カネシローがイチローファミリーの釣り部で活躍しているせいでヒイキにしているわけではないけれど、作品のハチャメチャさは本人以上でブンガク的だ。
豆炭で暖をとろうとして一酸化中毒になり救急車で運ばれたほどのツワモノのせいか、周囲からは軽く見られるが、作品の水準はけっこう高いので一読をお勧めしながら次作を待ちたい。