三島由紀夫「鏡子の家」

昨日はムヤミと長い作品だったので、私用・公用で不参加のためのみならず、読み切れないので欠席という連絡もあったものの、意外に8人もの議論で盛り上がった。
ボクも野球中継を見ながらの多忙さ(?)だったので、終りの数十ページは流し読みの感じで読了ということにした。
それにしても三島にしてはツマラナイ作品だったけど(三島はやっぱり戯曲だヨ、と改めて感じた)、発表がオモシロかったので読んだ甲斐があった。
個人的にはその時代に消費されて終わった感じの作品なのだけれど、今どきの研究者であるナッキーが関心を持っているというは意外だった。
大学の講義でも教材にしているというのだから、よほど問題意識が強いのだろうし、そういう気持が埋もれた作品を蘇らせるものだ。
発表としては未完成という通り、落としどころが不鮮明だったけれど、質疑を通してナッキーなりの読みが理解できたつもりになれた。
いずれ論文化されるのだろうから詳しいことは記せないけれど、清一郎を中心化しつつ彼のくり返すニヒリズムや崩壊を反転させてテクスト全体を押さえる読解は説得的で魅力を感じた。
確かに力量がないと論じきれないテクストだと思ったが、ボクの理想とする《作品を超える面白い論文を!》の可能性を秘めた発表だった。
多くの参加者が真砂子を重視しているので驚いたなァ〜。

次回11月はヨリコさん(一橋大博士課程)が川端か井上光晴を取り上げてくれる予定。
12月はツクイ父(宇都宮大修士・栃木県高校ベテラン教員)が小林秀雄について発表することになっているけれど、別に月に1度と限定しているわけではないから、発表希望があれば関谷まで!