映画「わたし出すわ」  森田芳光  ワイエス  

時間的余裕があるというのはホントに素晴らしい。
1日のNHKBSプレミアムの午後9時から、「わたし待つわ」(あみん?)をパロッたような題の映画の番組が記されていたので、前情報をチェックしたら森田芳光監督だというのでチョッと見始めた。
ブログにも記したことがあった気もするが、「家族ゲーム」は死ぬまで一度はみておくべき名画だと思う。
いつか山本晋也監督が、テレビで「森田は日大芸術学部の後輩で、学生の頃から一際輝いていた」と語っているのを聞いて、なるほどと思ったことがある。
やはりタダモノではないのだナ、という感じだった。
さて「わたし出すわ」は気に入った相手にカネをいくらでも「出す」という女性の話なのだけれど、喋りすぎたら観る興味を殺ぐことになるから気になったことだけを。
高校時代の友人で長距離ランナーの男の脚の手術代(アメリカでの)を「出す」という場面で、アレッと思ったのはフェイド・アウトする寸前にワイエスの有名な(?)絵が映ったのだ。
手元の画集にはこの絵が無いので題名が分からないけれど、ワイエスの隣人(?)だった家の脚の不自由な女性が草原の上に座っているところなのだが、あたかも隣人のワイエスの家に向かってにじり寄って行く姿勢にも見える(自宅の録画の中にワイエスの番組が2・3あるので一部チェックしたけど、この絵は無かったので姿勢には自信が無い)。
ご教示願いたいのは、森田芳光という人はこの手のイタズラ(?)をするのか? ということ。
脚の手術をする話の場面に、脚の不自由な女の絵を点描するとは!
文学と同じく、観客であるこちらが勝手にそう読めばイイということなんだろうけど・・・
ちなみに日本でワイエス展があった時に観に行って好印象を抱いたのだけれど、学大のデザインの若手の先生にワイエス展に行ったことを話したらハナで笑われたことがあった。
イイ人なんだけど写実が大嫌いのようで・・・