佐藤秀明編『三島由紀夫の言葉』(新潮新書)  松本修監修『読みの交流と言語活動』(玉川大学出版部)

信頼する研究者であるシュウメイが珍しい本を出したので少々驚いたものの、なるほど三島研究を牽引してきただけあって充実して読み応えのある新書になっている。
新潮新書というのは聞いたことも見たこともないけれど、慎太郎(石原)や曽野綾子などという正真正銘のオバカがラインアップされているのでそんな中に組み入れらたのは三島だから仕方ないと受け止めた。
オマケに極め付きの低能作家・百田尚樹が『大放言』まで加わったというのだから、シュウメイがチョッと可哀想になったけれど、池上彰さんの『超訳 日本国憲法』も入っているそうだから良かろうと思う。
問題は出版社ではなく内容なので、その点では読む価値がある労作だからおススメできる。
松本修氏は宇都宮大学大学院で修士論文を審査した間柄。
学大の千田洋幸氏と同じく文学研究でも通じる力量がある人ながら、本人が国語教育を主線にしているのでこちらの理解が及ばない。
というわけで現場の教師たちに刊行だけはお伝えしておススメするしだい。