中野京子  聖書の世界

自家で不要な本を卒業生等に上げるために整理していると、未だに研究室の本が紛れているのを発見する。
昔と違って図書館がカヴァーを外さずに研究室に回してくれるので、紛れやすくなってしまうのだ。
カヴァーも本の一部なので、ケースやカヴァーを外さずに研究室に届けてくれるように抗議したこともあったので、歓迎すべき傾向ではある。
最近とてもタメになる研究室の本を発見したので紹介したい。
中野京子『名画と読む イエス・キリストの物語』(大和書房、1600円)だけど、中野さんはテレビ番組でも話題になった「怖い絵」シリーズ(角川文庫)の筆者で、この手のネタでは実績のある人。
自分用でもあったけれど、学生が絵画を楽しみながら聖書の世界を理解してもらいたいという気持で研究室に備えたもの。
返却する前にチョッと読んでみたら、予想以上に面白く新しい理解にも導かれるのでおススメだ。
他の聖書解説が常識として流して記述しているところを、細かい点にも気を配って書いているので意外なところで教えられる。
というわけで少しずつ読んでいるところなので、まだ返却できない。

今は15日のヒグラシゼミの準備のための読書が中心になっているけれど、浮気性なのでその他あれこれの本を並行してツマミ読みしている。
例えば2年ほど前だったかに吉祥寺駅下の古書店でゲットした松浦玲『勝海舟』(筑摩書房)という分厚い本も、時々目を通して楽しんでいる。
歴史そのものも好きだけれど、司馬遼太郎の龍馬を読んでいらい(それ以前に江藤淳の影響かな)海舟に興味を抱いているからで、幕末は勤王派のみならず幕府側の人物にも面白いのが多い。
大好きな戯曲・安部公房榎本武揚」に登場する武揚もその1人。
などと書いているとキリがないから、また!