竹内清己『旅の日本文学(正・続)』  外尾悦郎『ガウディの伝言』

先輩の研究者である竹内さんから2冊いっぺんにいただいた本だ、龍書房で正が2800円で続が2200円也。
内容は表題の通りで旅にまつわるエッセイながら、筆者の教養の広さそのままに古典文学まで渉猟していて圧倒される。
量より質というのがモットーながら、衰えを見せずに毎年のように出版し続ける竹内さんのエネルギーを前にすると、質より量だという考えも認めざるをえない気になる。
と言っては失礼だと気付いたので、竹内さんの場合は量も質もだと訂正しておきたい。
先般の学会でお会いして渡辺正彦さんと帰り道にお話しして、竹内さんも含めた先輩の世代の守備範囲の広さにはカナワナイ思いを抱かされるのだけど、それに比べると若い世代の視野の狭さには心配させられることが多い。
脱構築だ、歴史だ、等々、時代の流行に乗るばかりで自主性が無いものだから、皆が同じようなことを主張するだけで面白みが無い。
それに抗するように思えた、先日の学会で今どき流行らない(?)描写論を企画した運営委員会には、拍手と感謝を捧げたい。

前にガウディのサグラダファミリアの彫刻家・外尾さんを話題にしたけれど、自家にもガウディの新書があったとは記憶していた。
その後その新書を探し出して驚いたのは、筆者がご当人の外尾さんだった。光文社新書、950円也。
全然読んでるヒマが無いので内容については記すことはできないけど、前に書いたことから中身は察せられるだろう。
カラ―も含めたたくさんの写真も収まっているので、とっても楽しい!