矢野利裕『SMAPは終わらない』

SMAPなどには全く興味が無いのは世代的に当然なのだろうけど、これほど世間が騒ぐものかと呆れるばかり。
学大に赴任した頃に、同僚となった大学の後輩・フサエ嬢がスワップなどと言っていたので、お嬢さまだったフサエ嬢がずいぶん過激な言葉を覚えてものだと驚いていたら、それがスマップのことだった。
その頃にデビューしたのだろうけれど、全く興味が無いのでカン違いしたものでフサエ嬢には申し訳なかった(カン違いそのものは伝えてない)。
最近、興味の無かったAKBのサッシーに好感を持って覚えたと思っていたら、先日サッシ―だと思って見ていたテレビでは高橋みなみとかいう子だったので、やはり20歳代の女の子はペンギン同様で区別がつかない。
スマップの方はシッカリ区別が付くし、中居のMCぶりには(貧相顔で嫌いな有吉のような嫌味も無く)いつも感心するばかりだし、ゲストの選択が良いゴロウ・デラックスも時々楽しんでいる(古井由吉まで呼んだヨ)。
草磲が舞台にデビューした時は、あまりに大根なので極めて不快だったけれど、そのうちに映画等で上手くなっていたので驚いたことがある。
キムタクが一番縁が無くてツマラナイけれど、スマップ全体としての歌のマズさは「夜空のムコウ」を作者のスガシカオで聴いて感動し、その反照としてスマップの下手さ加減が腑に落ちた。

どうでもイイと思っていた話題だったけれど、たまたま読んだ朝日新聞(9月2日)の文化・文芸欄のスマップ特集の記事に矢野クンの本が紹介されていたのでおススメしておきたい(自分で読む気はないけれど)。
8月上旬に垣内出版から出した本だそうだけれど、矢野本から「アイドルにおける個性の解放」という言葉を引きながら、記事全体としてボクのようなスマップに関心の無い者にも面白い分析を展開していた。
矢野クンは1度ヒグラシゼミに参加したけれど、その後は非常勤講師も含めて多忙だと聞いていたのはサブカルチャーを論じる多才さ故だったのだと分かり嬉しかった。
友川かずきの詩集を上げる約束もあるので、ヒマを見つけてまたゼミに来てくれることを期待しているけれど、できれば修論がらみで高見順(他の作家でもいいけど)について聴かせてもらいたいものだ。