「ショスタコーヴィチ(の証言)」  交響曲(建て前)と本音(室内楽)  ムラビンスキ―  ブルックナー  スタニスラフスキーよりメイエルホリド

イカやアイ〜ンはテレビ無しの生活をしているそうだけれど(可哀想なアイ〜ンはテレビが無いのに、スマホを持っているという屁理屈に基づきNHKの受信料を強奪されている)、無い方が自分の時間を自由に使えるところが評価される点だと思う。
あるとテレビオジサンやテレビジジイになりがちだから、テレビは時間ドロボーの代表だという注意を怠ってばいけないだろう。
しかし何にでも当てはまることながら頭とモノは使いようであり、テレビも十分役に立ち生活にメリハリをつけたり充実させてくれたりするものだ。
仕事中はクラシック音楽を流しっぱなしなので、録画したDVD中心にビデオやオープンデッキで録音したものを聴き〈ながら〉仕事に励んでいる。
その他でテレビを見るのは、食事中や休憩時間にはニュースやお笑い等の趣味番組で、ブログ記載や雑用しながらの時は(録画した)美術や歴史や紀行などの番組を見ていることが多い。
五木寛之や小椋圭が老後に大学に再入学して新たな勉強をして話題になったけれど、気持はとてもよく分かる。
ボクが放送大学で芸術系の番組だけでなく、理系のものにまで興味を示すのも彼らと同様の気持からだろう。
数式を見ると強い拒否反応が出るので「非ユークリッド数学と○○」などという番組は見ていられないけれど、パスカル同様(?)宇宙の拡がりには関心が深いので今日も「宇宙・自然システムと人類」の第2回を〈ながら〉ではなく見入ってしまった。
もちろん十分な理解などできないけれど、好奇心はそれなりに満たしてくれるので止められない。
お蔭で月末締め切りの太宰原稿にチョッと支障をきたしてしまった(かな?)。
お気に入りの番組はいつも記すように、「英雄たちの選択」「ららら・クラシック」と数種類の美術・音楽・歴史の番組だ。
先日の「ららら」(土曜Eテレ)がショスタコーヴィチ弦楽四重奏第8番を取り上げたので驚いた、以前「アマデウス」という番組で有名な交響曲5番を取り上げたのとは条件がまるで異なるから。
バルトークの弦四ほど取っ付きにくくないので、個人的には交響曲と同じくショスタコーヴィチの弦四も大好きなので両方とも全15曲録音・録画してあるけれど、まさかポピュラーな曲ばかりだった「ららら」で取り上げるとは!
さすがにゲストはインテリのキャンベラさん(東大教授)だったけれど(彼にも馴染みでないジャンルの曲だったので役立たずに終わった)、ハゲ頭の彼が半ズボンだったのは全然似合わないので見ちゃいられなかった。
番組MCの作曲家・加羽沢美濃さんのいつもの絶妙な解説(たぶん自身の発見じゃないだろうけど)によると、この曲冒頭のテーマの「レミドシ」はドミトリー・ショスタコーヴィチという名前の「DSCH」を音階に置き換えたものだというのでビックリ!(中学の頃から楽譜が読めないままだし)
バッハ(BACH)のアルファベットを音階に読み替えて(例えばCがド)曲を作るのは聞いたことがあるけれど(「バッハの名による○○」という曲はある)、ショスタの弦四もそれだったのか! という驚き。
ソ連体制ではチェックが激しいので、交響曲は(社会主義リアリズムなど)当局の方針に従わなければならなかったわけで、5番が「革命」7番が「レニングラード」などスターリンフルシチョフが喜びそうな別名を持っているのもそのためだ。
その点、あまり目立たない室内楽では建て前で書かなくても済むため、ホンネが出やすいジャンルだということは以前聞いたことがある。
この弦楽四重奏曲8番はまさに自分自身(レミドシ)を守り主張する音楽だったわけで、具体的な解説を聞いて面白く納得できた。
再放送は木曜午前10時25分からだけど、平日で見られない人がいても録画予約できないようになっているようで残念。
一番おススメなのは「ショスタコーヴィチの証言」という回想録(中央公論社)で、文庫本も見かけたこともあるから入手しやすいだろう。
刊行されて間もなく読み始めたのだけれど、メチャ面白いものの完読できていないので再挑戦したい。
演劇では日本で必要以上にリアリズムのスタニスラフスキーが持てはやされたけれど、ショスタコーヴィチと交友のあった(リアリズムとは距離を置いた)メイエルホリドが粛清されたのを悲しんだり惜しんだり、ソ連の代表的な指揮者だったムラビンスキ―をショスタが体制ベッタリだと批判したりで面白いこと限りなし。
日本でも(ボクも)高く評価され尊敬されていたムラビンスキ―がこき下ろされていたのは驚きだったけど、ムラビンスキ―とレニングラード・フィル(現サンクトペテルブルク・フィル)のコンビによるロシア音楽の演奏はやっぱりスゴイと思う(チャイコフスキーショスタコーヴィチも、そしてドイツ音楽だけどブルックナーも)。
例えばグリンカの「ルスランとリュドミラ」序曲ではこのコンビによる演奏を超えるものは無いと思う。

@ 上記のムラビンスキ―がブルックナーの8番を振ったレコードを持っているけれど、この十年ほどプレイヤーが故障したままなので聴けてない(ディランもグールドも)。
  日曜のN響コンサートでヤルヴィが珍しくブルックナーを振ると知って驚いたけれど、解説の中で彼がブルックナーが特別に好きな作曲家だと話したのでまたビックリ、嬉しかったナ。
  録画したけれどジャミラがいたので大音量では聴けてないから真価は不明、おまけにあまり聴かない第2番だからボクも判断しにくい。
  カラヤン小沢征爾に勧めたのも2番だったと小沢が言っていたけれど、それほど名曲だという印象は無いのはボクがシロウトなせいかも。
  
   ところで今日は何を見ながらブログを記しているかって? もちろんプロ野球サ。
  ヨシノブ巨人にも同情するけれど、やはり悲願のCLシリーズ初登場の横浜に勝ち残ってもらいたい。
  第1戦は横浜が勝った上に、沢村が打たれてモノスゴク気持良かった!
  昨日も沢村が打たれることを期待したのだけれど、信用を失って出られなかったのは残念至極!
  横浜が期待以上にガンバッテいるけれど、坂本が超人的な打撃をしているので巨人が勝ちきるのかな。
  沢村が出てくれば横浜が勝てるのに、投手としても人間としても信用できないのはチーム内だけじゃないゾ!
  それにしても横浜は素晴らしいチームになったもンだ、ラミレスの監督としての手腕など全く評価できなかったのに。
  どちらにしても広島にセリーグの代表になってもらい、日ハムとの対決を楽しみたいのだけれど。