朝日新聞の連載記事  「黒い大地をたどって」  「日ソ戦争をたどって」

東京新聞を1週間ほどタダ読みさせてもらった時、感想を聞きに来た営業マンが以前は朝日の営業をしていたことがあり、朝日が例のチョンボで信用を失った時に担当していた神奈川のある地区では、40〜50軒の家が朝日を止めたので困ったそうだ。
それでもボクが朝日から変更しない理由は前に記したけど、最近の連載記事でカネと時間がかかっているものをおススメしようとしながら機会を捉えられなかった。
ともに8回くらいの連載だけど、朝日ならバックナンバーを読めるだろうから一読を勧めます。
遅まきながら10月11日に始まった「日ソ戦争をたどって」は、千島列島におけるソ連軍の侵略に抵抗した日本軍との凄絶な殺し合いが具体的にたどられていて、全く知らなかったものだから驚きながら怒り悲しんだ。
ボクの知識では、敗戦後にソ連軍が北方4島で多くの日本人が住んでいた所に、ソ連軍が侵略してきて日本人を排除したという。
ところが記事によると4島よりもずっと北にある、千島列島がソ連カムチャツカ半島に接するシュムシュ島という所で終戦3日後の8月18日から激戦があり、両軍に少なからぬ死傷者が出たとのこと。
「昨日の敵は今日の友」の言葉のとおり、終戦後は両軍兵士の中には友好関係を保ったというイイ話も記されている。
日本人女性をレイプしようとしたソ連兵を撃ち殺したというソ連兵もいたという、深イイ話も紹介されていて気持よかった。
顧みて中国大陸でヤリ放題・殺し放題だった日本軍兵士が恥ずかしいこと限りなし。

昨日で8回目だった「黒い大地をたどって」はナチスユダヤ人大虐殺の痕(跡)をポーランド等を丁寧にめぐって取材したもの。
あまりに沢山の土地に強制収容所があり、各収容所でそれぞれ何十万・何百万というユダヤ人(その他の人種も)が殺されたことにビックリしつつ怒りを新たにしている。
「あ〜、そうだったんだ」と流すのではなく、それぞれジックリ読み通して忘れないようにしてくれれば嬉しい。
ドイツではヒットラーの「わが闘争」の発禁が外される可能性があるとか、今度はユダヤ人ではなくイスラム教徒が排除の対象に変るのだろうけれど、格差の拡大・失業続きなどの抑圧を単純に多民族排除に転嫁するほどの低能にならぬよう、セルフ・コントロールを怠らないようにしてもらいたいものだ。
IS(自称イスラム国)の戦闘員、あるいはそれを反転しただけのアメリカのトランプ支持者のようになってしまっては、ナチスの犠牲者たちも浮かばれないだろう。
安倍晋三の支持者も同様、と付しておきたいけれど、そこまでは伝わりにくいだろうから控えておこう。