シンコペーション  ピーター・バラカン  ロバート・キャンベル  加藤浩次

Eテレの「ららら・クラシック」については度々言及してきたけれど、先週土曜のヘンデル「水上の音楽」の美濃さんの解説はものすごく感心した。
中学生の頃から大好きだった音楽だけど(その頃はベイヌム指揮で堪能していた)、この10数年来はアルノンクール指揮ウィーン・コンツェルトハウス管弦楽団の演奏を満喫している。
古楽器による素晴らしいものだけれど、ティンパニなどが誇大に叩かれていて最初は苦笑してしまうくらい不自然に聴こえたものだ。
今ではそれが堪らない、打楽器の強調の仕方がまるで中学生の時にトスカニーニ指揮NBC響のレコードで聴いた、「ウィリアムテル」序曲(ロッシーニ)の行進曲の印象だ。
それはそうとこの曲の魅力がシンコペーションの仕方にあるとは! 美濃さんの解説がアンダーソンの「シンコペーション・クロック」を引き合いに出しながらで、よく理解できて嬉しかった。
再放送が木曜午前10時25分からなのでぜひどうぞ!

ゲストが好感度の高い音楽評論家・ピーター・バラカンさんだったので、文句の付け所の無い番組だった。
くれぐれも松村クリスなどは呼ばないでもらいたいものだ。
バラカンさんは昔ラジオでポピュラー音楽を聴いていると為になる解説をしていて、例えば表層的な冨澤一誠(留年したクラスにいた)などに比べるとレベルと教養の差が歴然としていたものだ。
東大駒場のキャンベルさんもむやみにテレビ番組に露出しているけれど、あまり嫌味は無いものの先日の日テレ朝9時の「スッキリ!!」でバカな発言をしていた。
韓国のパク大統領の大チョンボ報道に乗って、女性は孤立すると怪しい宗教にハマりがちだという暴言を根拠なくブチ上げたものだから、MCの加藤浩次がすぐに「そんなことはないと思いますが」とフォローして救った印象だった。
外国人には珍しく日本の古典文学(近世)に明るい人だけれど(専門が違うので正確な判定は無理)、露出し過ぎて専門外のさまざまな問題についても意見を言わなければならなくなるとみえて、こうした愚かな発言を洩らしたということらしい。
むしろ「極楽とんぼ」の加藤の方が良く勉強している上に、偏らない判断力を保持しているようで感心したものだった。
ロバート・キャンベルの方がずっと「極楽とんぼ」ということになる。
大学にはこの手のトンボが数知らず、ということは昔から言われている通り。
イギリスのEU離脱を軽薄だと批判していたバラカンさんの方が、キャンベルさんより幅広い教養と理性の持ち主だろうと思う。