井伏鱒二研究  前田貞昭

送られたのはずいぶん前だったのだけれど、書斎の積んどく本の下の方に紛れていたので紹介が遅くなりました。
兵庫教育大学 近代文学雑誌』(第27号)に、連載を欠かさない前田貞昭さんの実証的な井伏研究の成果が掲載されています。
(他に太宰治「ろまん燈籠」論あり)
前田さんは気の遠くなるようなレベルの実証的研究で、井伏鱒二研究には欠かせない人です。
ボクも前田さんにお褒めいただいたりしながら、それを励みに井伏論を何本か書いたことがあります。
もちろん井伏を読むのも退職後の楽しみなのですが、他の作家等に時間を費やさねばならない状況なのでなかなか井伏に打ち込む態勢が整いません。
以前紹介した滝口明祥氏の卓論集『井伏鱒二と「ちぐはぐ」な近代』(新曜社)などを案内に、井伏作品に臨めるのはいつになるやら・・・