ジッドのショパン論

長いことフランスに留学していたユキオちゃん(以下N君と記す)がどんなジッド研究の成果を伝えてくれるのか、とっても興味深かったけど、なんと音楽論だったのでビックリしたヨ。
それ以前にジッドがピアノを弾けるというのも驚きだったけど、そのレベルが素人としてはかなり高度なことを論じているようなので、それにもビックリ。
送られたPDFの写真版テキストでは不明確過ぎてルーペ片手に判読したため通読に時間がかかったけど、読了してから訳者の河上徹太郎に注目し直して自家の全集を見たら収録されていたので、自分のボケぶりにも驚いた。
河上は小林秀雄の若い頃からの僚友だったので、その全集は自家に具えてあったのだ、バカだネ。
テキストを読んでいても、ショパンの24の前奏曲の中のどの曲を論じているのか、楽譜がまったく読めない身にはジレったいばかり。
つくづく楽譜を読める人が羨ましいけれど、N君は読めるのでジッドの主張が理解できているので頼もしい。
第1曲の出だしの楽譜を説明してくれたので、その箇所だけは納得できてカンゲキ!
楽譜が読めたりピアノが弾けたり(自家のピアノは十数年放置したまま)できて、かつ可愛い女性が伴侶だったらとハカナイ夢を追いながら空しく過ぎた30数年!
年賀状には今年も結婚の報せも含まれていたけれど、夢と現実の落差に苦しむ仲間が増えるのは隠微な快感だ、それからがホントの仲間?

話を戻すと、質疑応答を含めて実に教えられた発表だった。
フランス文学について種々教えてもらえたし、レジュメにあった「純粋」に絡んで純粋詩に話になったら、詩歌が専門のヒッキー先生からまたいろいろ補足してもらえて知的な刺激満載!
指サック先生(山田有策)の明治ゼミ主催の講演会に重なったこともあってか、ゼミの参加者に若手がゼロで平均年齢が高かったのも面白かった。
司会のナオさんも楽譜が読めて持参してくれるほどだったので、音楽や文学の話題が尽きず盛り上がってスゴク楽しかったナ。
希望者にはレジュメをメール添付で送ります。