千田洋幸「或る女」論(その2)

千田さんの話を続けるという意味での「(その2)」というより、千田さんには他にも「或る女」論があることを付しておきたいということがメイン。
今日(9日)例によって国分寺の内科に行って血圧と喘息の薬をもらった後、いつものように学大に寄って寄贈書(畑有三研究室で刊行していた充実していた研究年刊誌)を置いてきたのだけれど、アザミ嬢助手から『学芸国語国文学』の第24号(平成4年3月号)をもらってきた(まだ残部があるヨ)。
それに千田さんの「語りの両義性と読者の位相」という表題の「或る女」論が掲載されているからだけど、読むのが楽しみ。
こちらなら留学生にも理解できるかな?
紹介した8日付けの論の際には言及しなかったけれど、先行する研究者や研究論文を容赦なく批判を浴びせるチダヨーコーの勢いは、若き日の関谷一郎を想起させるので気持良かったものだ。
関谷はジンセイ最初に発表した「小林秀雄・その転位の様相」において2人の師である三好行雄越智治雄両先生が参加している小林秀雄の共同研究の成果を引用して、「愚論である」と言い切ったものだから高水準の論文と共に話題になったものだ。
今どきの若い研究者はオトナシイ人ばかりで先行研究(者)に遠慮し過ぎていてもの足りなく感じているので、学問的な面だけでなく千田さんの勢いも学んでもらいたいものだ。