芥川賞・直木賞

8月14日の朝日新聞の「文化・文芸」欄は「気になる境界」というテーマの下、連載第1回は文学のジャンルで「芥川賞/直木賞」の問題を取り上げていて面白い。
古くて新しい問題なのだけれど、意外にたくさんの「境界」を越境・往還した作家がいたので驚いた。
千葉大に非常勤講師で行った時に知り合った牧野悠クン(帝京大学)のお得意とするシバレン(柴田錬三郎)が、芥川賞候補になったことがあるなど初耳のこと(でも死んでも読まないだろうナ)。
絲山秋子宮原昭夫直木賞の候補に上がったことがあるとは知らなかったし(他にも多い)、角田光代はともかくも山田詠美車谷長吉芥川賞候補を続けてから直木賞に落ち着いたとはネ。
でも角田や山田のその後を見てると納得できる気がするし、そう思うと吉本ばなな(や村上春樹も)直木賞(エンタメ)作家としてくくってもイイかなという感じ。

古くはボクの大好きな井伏鱒二梅崎春生直木賞を受賞したけど、井伏だったかな《受賞すべきかどうか迷った》というコメントを発したのは覚えている。
梅崎はノイローゼからの脱出法として軽い読み物を書いていたら、直木賞候補にされてしまったという経路だったと思う。
フィナーレは出発時の純然たる文学作品「桜島」に回帰する形で、大傑作「幻化」に至り着いたのだけどネ、読めよ!