木下順二「子午線の祀り」  野村萬斎  若村真由美

野村萬斎演出の「子午線の祀り」を観ているところなんだけど、ずいぶん昔もテレビを観ていて飽きてしまったものだ。
昔のとは異なり、萬斎演出だと少しは興味が湧くかと思ったものの、あまり変わり映えしない感じ。
やはり戯曲そのものの問題かな、平家(も源氏)もやはり原文で読まなければ、ホンモノの良さが分からないのじゃないかな。
平家物語は高校2年の夏休みに読破したけれど、並行して読んでいた「暗夜行路」は半分(前篇だけ)で挫折したのを覚えている。
小林秀雄の「平家物語」だったかで、子規の句として「平家なり 太平記には月も出ず」というのが引かれているけど、子規がホントにそんな句を詠んだのかね?
あまりに見事に平家の文体・文章の素晴らしさを表現した句ではあるものの、その作者が子規というのはデキすぎだからナ。

萬斎は演出だけでなく主演もしているけれど、引き込まれないナ。
むしろ語り手の女性役が若村真由美で、大昔N響アワーのMC池辺晋一郎のアシスタントだった子が、母親の信仰していた邪教新興宗教)のバツ3くらいの化け物まがいの教祖と結婚した(させられた?)という記憶が重なって、その後の「行路」が気になる程度。
あの相撲取りみたいに巨大な化け物と離婚せずにいるのかナ、どうでもイイけど。
そのくらい舞台に集中できないのだけれど、木下順二の戯曲にしてはツマラナイよね、「夕づる」ができ過ぎだとしても、長いものでも面白そうな文庫を何冊かゲットして読むのを楽しみにしているのだけれどネ。
戯曲と言えば、現代戯曲全集(10冊あまり)を読めないまま加齢しているのも残念だナ。
退職後に読むのを楽しみにしながらも、果たせないままのものが沢山あるのが次々と思い浮かんでくるからこの辺で。