カズオ・イシグロ  「ニュースで英会話」  核兵器禁止条約  鴻巣友季子  小野正嗣

(昨夜の記事)
今見ている釣り番組ではノドグロ(赤ムツ)がターゲットなんだけど、書くのはイシグロの話題ネ。


前回イシグロについて書いてからも、少なからぬ記事が出ている中で、先週はEテレの「ニュースで英会話」(木曜夜11時25分)でも取り上げられていたくらい。
今日の話題はノーベル平和賞を受賞したICANで、ニュースの解説者が核兵器禁止条約に日本が加盟しない理由を政府の立場で説明していたけれど、白々しいよネ。
世界で唯一の被爆国なのだから真っ先に加盟するのが当然のはずであるにもかかわらず、広島・長崎に原爆を投下した他ならぬアメリカの「核の傘」の下でイジケているために加盟できないのは誰でも知っている。
米ソ中英仏の5ケ国で独占して他国が核を持たせないまま脅かしては、チビのロケットマンが自分の命と国を守るために核兵器を捨てるはずもないよネ。
チビよりも頭の悪そうなデカ・ロケットマンであるトランプの尻馬に乗ってチビを脅かしていては、チビのロケットを日本に呼び込むだけだということは前にも記した通り。
トランプの言いなりになっている安倍晋三もアホなら、それを支持している日本国民もバカという外ないよネ。
「ニュースで英会話」から話が逸れたままだった。


昨年だったか来日した時のイシグロが語った、別のNHK番組の再放送も途中から見たのだけれど、その後は期待に反して再々放送されてないようなのは残念至極。
イシグロが貴族社会のイギリスを描いた「日の名残り」を、メタファーのつもりだったと語っていたのは違和感を抱かされたナ。
イギリス文学の伝統に則ったリアリズム文学という位置付けで十分だと思うのだけどネ。
新聞記事によれば、10代の後半に「ジェーン・エア」を読んで作家になる可能性を自覚したそうなのだから。
朝日新聞10月11日には翻訳家として信頼している鴻巣友季子さん(翻訳にまつわる新書が自家のどこかにある)と松永美穂という独文学者の充実した対談が載っている。
松永さんがイシグロ文学には《ヨーロッパ的な重厚さがある》と指摘しているけど、「日の名残り」はこれだろう。
すぐ横には小野正嗣さんが月に1度の連載評論で、日本は難民に対する理解が根本的に遅れているのにもかかわらず、
 《栄誉を受けた者が少しでも日本と関係があれば、求められずともいくらでも場所は差し出される。》
とキツ〜イ皮肉を日本人のイシグロ騒ぎに向けて放って苦笑させられる。
鴻巣さんはアレクシエービッチ(2ケ月ほど前にブログで触れた)に続いてボブ・ディラン(同前)、そして今年のイシグロを選出したスウェーデン・アカデミーの「センスの良さ」を指摘しながら、《今回の意外性は気持良かった。》と語っている。
残念ながらハルキはアカデミーの「センス」には合わないのだろうネ。
イシグロとハルキは相互にリスペクトし合っているそうだけれど、イシグロ文学の理解者としての「センス」はハルキが一番なのじゃないかな。
この2人について鴻巣さんは《作品のメンタリティは正反対に近いかもしれませんが、志の方向は意外とにているかも。》とも言ってるのだけれど、イシグロを読んでないので意味不明(誰か教えて!)。