岩波の手抜き作業

宇都宮大学で3月に発表した内容をまとめたのだけれど、漱石だけに気になる言葉がいくつかあって、その中でも《自然》が「門」と「道草」における使用例をチェックしようと思い、自家にある菊版の全集の索引で調べようとしたら、索引の巻はあっても作品の巻は在職中に全部漱石研究を志す留学生に上げてしまったのを忘れていた。
仕方なしに学大の伊藤研究室で新しい全集でチェックして驚いたのは「門」の使用例、ボクが昔読んだ時に押さえておいた例は3例あるのに索引には1例を挙げてられているだけ。
詳細はメンドクサイから教えないけれど、優れた漱石研究者の伊藤かおりさんにも確認してもらったので確か。
天下の(?)岩波の漱石関係書がこんなにイイカゲンだとは誰も思わないだろうが、実態はこんなもの(ちなみに「道草」の使用例はボクと同じ5つだった)。
『文学』という雑誌から《文学》が失われて低調久しいまま廃刊されたけれど、(安倍晋三)政権と同じく長期にわたって運営が安定するとゆるみや腐敗が発生するものだ。
安倍晋三がモリ・カケ問題を契機に脅かされたものの、自分ファーストの小池百合子の安倍並みに傲慢な人デナシ発言で助けられて安定多数を得てからは、これまで無かった低姿勢な様相を見せているのは苦笑もの。
でも堂々と出版されている索引に欠陥があっては、笑って許すわけにはいかない。