古山高麗雄  「壇蜜BAR オトナの密会#1」

芥川賞作家ながら知られていない作家の受賞作「プレオー8の夜明け」。
1970年受賞当時読んだのだけれど、捕虜生活を安岡章太郎風なユーモアで描いた作品という程度の記憶しかなかった。
再読の印象はこんなに面白い作品だったのか、という再発見ができて取り上げたレポーターのグッチ君に感謝だったけど、論じ方が思い浮かばなかった。
論文に仕上げている最中のようだから詳しいことは言えないけれど、ボクには思い浮かばなかった切り口で刺激的だった。
このところ授業でも語り口に注目しているので、「〜いるんだ」「言ったんだ」という口調の語りをを聞いている聞き手のイメージ設定が気になった。
長い作品で発表内容も長いので、来週はレジュメの後半を発表してもらって議論を続ける。
 
あまり面白かったので自家にある古山作品を探したら、「プレオー」は無くて(たぶん芥川賞が掲載される『文藝春秋』で読んで捨てたのだろう)代わりに『季刊芸術』に載っているサチ住むと人の言う」という作品が見つかった(未読)。
戦争ものを書く人というイメージがあるので『戦争×文学』のシリーズを探したら第12巻に「白い田圃」という作品だけが収録されていた。
これはグッチ君も言っていた作品だと思って読み始めたら、「プレオー」と同じ頃の作品だけあって似ていて面白い。
何となく関心があった作家だったのか、ずいぶん前に「身世打鈴(シンセターリョン)」というエッセイ集が自家にあったので読み始めてところ。
さらに近くのブックセンターいとうに行って探したら、戦争三部作といわれる最初の2冊「断作戦」「龍陵会戦」があったのでゲット(前者の冒頭だけ読んだ)。
国分寺に行ったついでに三省堂に寄ったら収穫ゼロながら、辺見庸の「1937(いくみな)」上下2冊があったので買っておいた。
これは12月9日の昭和文学会で、立教院生の仲井真クンが発表するので読んでおきたいからだ。
だいぶ古山にハマった感じでいるが、あとは有名な「小さな市街図」が欲しいし「岸田國士と私」というエッセイが気になっている。

@ 今は先週から見ている「壇蜜BAR オトナの密会#1」((BS−TBS)でゲストの又吉直樹とのおしゃべりを見ながらブログを記している。
  この番組、いるから始まったのか知らないけど、先週は北方謙三だった。
  この作家は「三国志」の講義をNHKで見た時に感心したけので、彼の「三国志」を全巻揃えてあるものの第1巻の途中を読んだままだ(面白いンだけどネ)。