ラジオ放送大学  教員の《老害》    

最近はテレビで「ラジオ放送大学」を聴く方法が身についたので、面白い番組は定期的に聴いている(午前中早いのは無理)。
中でも午後1時からの「ヨーロッパ文学(古典編)」は無知な領域なせいもあるので、とても教えられるし面白くて講師の宮下志朗さんの人柄も愛敬があって楽しい。
今日(27日)は「トリスタンとイズー」だったけど、ワーグナーの楽劇を知っている物語なので分かりやすかったものの、文学としてはヴァージョンが多すぎてタイヘンなシロモノだということも知った。
テレビの放送大学はこのところ「ヨーロッパの歴史Ⅰ」を毎日2回(午後7時からと8時から)にわたって再放送し続けているので、録画してあるものが多いものの改めて聴いて楽しんでいる。
第7・8回の「神の国から人の国へⅠ・Ⅱ」は初めて聴いた(2015年?)時に内容の充実ぶりに圧倒されただけでなく、皆川卓氏(山梨大学)の話しぶりの流暢さにも感心すること頻りだった。
ほとんど何も参照せずに(そう見える)速めのスピードで詳細については未知の歴史を話してくれるので、付いて行くのが精いっぱい、それにしても面白い!
今回録画していなかった第9回「儀礼と表象」がまた同然で、講師は代ったものの(長谷川まゆ帆という東大のお婆さん)実に深い内容を早口気味に話してくれるので、理解の深さに感心する速度が追い付かないくらい。
長谷川さんの講義は第10回の「オーラルとエクリ」は録画してあったけれど、こちらは一般論というより具体例が多かったので第9回ほどの深さを感じていなかったため、「儀礼と表彰」の話の充実ぶりにはビックリ仰天した。
前半の古代ローマや中世を担当していた陣野尚志さんも分かりやすい話しぶりで面白かったけれど、上記2人の講義ほどの専門性を感じなかったのはシロウトにも馴染みの時代・内容だったからだろうか?
それ等に比べると(伏字)

教員の《老害》は珍しくはないのかもしれないけれど、(伏字)有能な若手に「チェンジ」(腐った頭のトランプのお蔭でオバマの言葉を思い出してしまった)すべきだ、「時間」で言えば一刻も早く!
もちろん若ければイイということではなく、美術史の青山昌文のようにジジイでもないのに脳が硬直化して同じ用語や話を何度もくり返すのも《老害》の別ヴァージョンだろう。
そもそも青山の専門性はディドロあたりに限られているのに、むやみに出たがるので内容が薄くなるばかりで、放送大学の講義のレベルを下げてマイナス効果が大きい。
一番呆れたのはオペラや映画についての番組で、肝心のテーマを深く掘り下げる知識・能力に欠けるものだから、ワーグナーの「指輪」をダラダラ流したり(それ自体青山の話よりはずっと楽しいけど)、高額の出張費をかけて映画の「聖地」を訪れて日本語に聞こえるフランス語でインタビューしていたけれど(それ自体は語学を志す人には自信になるだろうけど)、話が深まらないので物足りないことおびただしい。
青山も早くもっと有能な人に代えるべきだ。
放送大を定年退職した前副学長の吉田光男さんは、話し方の下手な青山などに講義の仕方を教育すべきだったけれど、果たせなかった模様。
その吉田さんが「歴史と人間」シリーズで孫文を担当するのは人選の誤りだと記したら、ご本人から「左翼の連中に孫文を語らせても一律で面白みがないから、自分が広い視野で論じたのだ。」と反論されたので、再放送を見たら確かに吉田さんの意図が伝わってきてこの人アホじゃないことが判った。


老害》と言えば、ボクが東京都の定時制高校の教員だった頃は、組織率が93パーセントくらいだった組合「都高教」が自浄能力を欠いたために定年制が無く、使い物にならないジジイやババアがうろうろしていて生徒が可哀そうだった。
ボクも当然組合員で、よく都高教の動員でいろんな所の集会に参加したものだったけれど、「日教組は平均化したバカを作るだけだ」という組合批判の気持を隠すことなく言動していたものだ。
だから教員の身分を守ることを優先する組合方針に逆い、使い物にならないだけでなく生徒にとって害悪の多いジジババやヤル気の無い教員は辞めるべきだと職員会議でも発言して、敬愛する先生からもヒンシュクを買ったほどだった。
ハッキリ自覚していたわけじゃないけど、それがオレの全共闘運動だという気構えだったと思う。
卒業したら全共闘運動も終り、なんて他人はともかくも自分には許せないということだったナ。
学生時代の思い出作りのための学生運動で済ますなんて、ふざけんナという気持だったネ。
宇都宮大学では気軽に学生処分をしようという「進歩的教員」に対して、教授会で反対発言したら「いつもは寝ているセキヤさんが珍しく発言したネ」と冷やかされながらも、処分を阻止できたのは収穫だった。
それでも大学では大人しくしていようと思っていたのに、学大では同僚教員クレイ爺の留学生に対するセクハラ・パワハラを黙視できずに、今や相撲界で流行りの「もみ消し」を図っていた村松泰子学長と執行部を批判しつつ、クレイ爺を3ケ月の停職処分に追い込んだ次第は何度も記したとおり。
なんだか《老害》問題から外れたようなので、これまで。