長谷川利行展

退職した身ながらなかなか観に行く時間的余裕もないし、身体にも余裕がないのはトシのせいかな?
最終日が8日の3日前の5日にやっと観に行けた。
素晴らしいし、めったにやらないだろう展覧会だから、残り7か8日にぜひご覧ください(ボクは釣り部で館山へ)。
入場料は900円と安価な府中美術館、府中駅から100円のバスもあるし徒歩でも行ける。
リコウ(利行の通称?)は大正末から昭和前期まで、表立った活躍ではなくボヘミアン(放浪者)的生活を送りながら多産した画家。
多産も当然であまり書きこまない画風だからであり、それでいながらスゴイ迫力のある作品が多い。
一般には未完成のように見えがちだけれど、省筆でいながら描ききった感が伝わってくるから不思議。
アッという間に描き上げて料金代りに置いて行くことも多かったようなので、数年前に「何でも鑑定団」に出品されてトンデモナイ値段が付いたので会場のみならずボクもビックリしたもんだ。
ちょうど法政大院生が他の授業で発表したという龍胆寺雄「放浪時代」を再読していたのだけれど、語り手であり中心的人物である絵描きの「僕」の遥か上を行く無頼ぶりで生きたのがリコウだと言えよう。
時間をかけた作品として「岸田國士像」があって、珍しく描きこんでいるイイ絵なのだけど、その代金はもらいながらもその後も何度もオネダリに行って岸田と困らせた、という説明書きは笑わせる。
笑わせるのは大横綱双葉山土俵入」で、けっこう相撲取りを描いているとのこと。
意外なのは現在上映中(山崎努と樹希希林)らしい「熊谷守一像」で、常識を超える出不精の熊谷を描くチャンスがあったというのが面白い(熊谷と青木繁が同級生と知った時も驚いたけど)。
変人同士で気が合ったのかな?
靉光像」という作品も良かったけど、シュールな「眼のある風景」で知られる靉光あいみつ)とは親交があっても不思議はないけど、靉光には無頼のイメージは無いから嫌っていたかもネ?
もっと意外で苦笑したのは「房州保田砂鉄工場廃屋図」という作品で、保田(ほた)といえば釣り部の定宿である北見に近い漁港で最近の釣り場だから。
明日、館山で釣れなければ保田に移動する可能性もあるからネ。
明朝は早起きしなければならないから、そろそろ寝なくてはならない、間もなくフランスがウルグアイに勝って終るだろうし。
それにしても世界のレベルは高い、個人技ではかなうはずもないから、日本のサッカーは集団の結束で対抗しないと勝てないネ。

@ 時間に余裕があったので常設展も観たけれど、松本竣や小山田二郎の2人は以前府中で展覧会を楽しんだのだと思うけど、やはり他の画家より数段上だと確認したようなもの。
 常設展も含めておススメ、観るべし!