聴きながら昇天したい曲  ブルックナーの交響曲

あまり読み手の多くはないクラシック音楽の話題は溜まる一方だけど、強行突破しよう。
22日のNHKの「クラシック音楽館」はいつものN響ではなくノット指揮の東京都交響楽団だったのだけれど、曲目を直前まで知らなかったので事前にお報せできなかったのは残念だった。
ブルックナー交響曲第9番で名演奏だったのはいいものの、この曲は宇都宮でやった「最終口演」で話したとおり、ボクがこれを聴きながら昇天したい曲。
ハルキの小説に出てくる曲名からクラシック音楽にハマっているツクホーシから、たまたま「マーラー以外にブルックナーも聴きたいけど、何番から聴けばいいか?」という質問に応えて、「4番が入りやすいけど、オレは学生時代に偶然シューリヒト指揮ウィーン・フィルの9番の輸入盤が入手できたので、9番から入った」と応えたばかり。
まさかその日のうちにテレビで放映されるとは奇跡的偶然だったから、ツクホーシも録画する余裕もなかっただろうけど、皆さんに聴いてもらう情報を流せなかったのは残念至極。
ブルはなかなか入りにくい作曲家だけど、一度取りつかれると病み付きになる魅力がある。
病み付きたちを表す「ブルックナースノッブ」という言葉もあるくらいだけど、ボクもその1人であることは今までも公言してきた通り。
入りやすいのは4番以外には7番だろうけど、その次が難しいかな。
まずは3か9番だろうけど、5・6・8番はなじみにくいのでボクもあまり聴かない。
1・2番は最近ヤルヴィ指揮のN響が魅力的な演奏でハードルを下げている感じで嬉しい。


問題は指揮者なんだけど、ブルの指揮と言えば上記のシューリヒトや晩年来日したヴァントが職人的な「専門家」、N響の桂冠指揮者の1人であるマタチッチも安心して聴ける。
マタチッチ指揮チェコ・フィルの7番とカラヤン指揮ベルリン・フィルを聴き比べたことがあるけど、まさに雲泥の差!
マタチッチの演奏はクラシック音楽の感動を与えてくれるけど、カラヤンはまるでムード音楽でブルを汚していたので腹が立ったものだ、ブル音楽にとって核となる精神性が全く欠落している。
学生時代にカラヤンの当時最新のチャイコフスキーの「悲愴」(ウィーン・フィルだったかな)を聴いた時も同じ不快感を覚えたけど、尊敬する越智治雄先生が褒めていたので「あんなヒドイ演奏はない」というような頭ごなしの否定をしたら、「君はキビシイな」といつもの苦笑を洩らされたのを覚えている。
見境なく何でも演奏したがるカラヤンの出しゃばりぶりからして受け入れ難かったけれど、まさかブルにまで手を出すとはネ。
その他のブルックナー指揮者はN響がらみではブロムシュテットやスクロバチェフスキー
朝比奈隆指揮大フィルも悪くないけどアバド指揮ルツェルンハイティンク指揮アムステルダムもイイね、最近ではメスト指揮クリーブランドも十分に聴ける。
などと言ってるとキリがないからこの辺で。


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