「赤毛のアン」  茂木健一郎  脱税する心裡  村岡花子

たびたび紹介している「100 de 名著」が「赤毛のアン」を取り上げ、茂木健一郎が意外に的を突いた解説をしているのに、取り上げないまま最終回を迎えてしまった。
とはいえ水曜早朝と昼時に同じ再放送があるので、最終回だけでもご覧下さい(いずれ再々放送をやるだろうけど、何故か「ソラリス」は1度も再放送してないみたい)。
取り上げなかったのは、他でもないその茂木の悪印象のためだったかもしれない。
一時「脳科学」を流行らせたお蔭で売れまくったのはイイけれど、カネの亡者という本性を露わにして多額の脱税をして姿を消していたゲスだから。
昔なら大橋巨泉ソフトバンク時代の小久保裕紀を記憶しているが、売れると税金を取られるのを極端に嫌がる傾向があるようだけれど、人間一般のものなのかゲス根性の持ち主に限られたものなのか。
単純な疑問としては、必要以上のカネを手許に確保したがる心理(心裡)が理解できない。
茂木たちが生来の「守銭奴」の性だとすれば、フツーの人間には理解の外で話は簡単だ。
しかし「守銭奴」が生まれながらのものでないとすれば、どこかで「守銭奴」に生まれ変わる人間とそうでない人間に区分されることになる。
両者が分かれるポイントは、幼児からカネに不自由していたか否かという点にあるのかもしれない。
村上とか何とかいう名前だったと記憶するけど、ホリエモンと同じ頃にカネにからむ事件を起こして堀江貴文と同様に収監された男が、「子供の頃から小遣いをいっさい与えられずに、欲しければ自分で稼げ」と言われて育ったのを犯行理由にしていたので呆れたのを覚えている。
果たして茂木は生来の守銭奴なのか、もともとカネに縁のない生活をしていたために「守銭奴」に変ってしまったのかは不明ながら、脱税してまで過分なカネを欲しがったのは事実。
そういう人間が「赤毛のアン」を語る資格があるのか否かの判断はお任せしたい。
茂木は幼い頃からこの作品を読み込んでいるせいか、実際の解説は聴くに価するものだったことは記しておきたい。
もちろん脳科学や心理学の立場からの人物評・人物分析であって、文学的分析はできてない。
その証拠に、初めて(冒頭部を村岡花子訳で)聴いたボクが受けた文学的感銘については、4回を通してまったく解説されなかった。
(ついでながら朗読担当の女子は上手かったネ、この番組の朗読はだいたいイイけど。)
以前朝ドラで話題になっていた村岡花子だけれど、彼女の訳なら「赤毛のアン」を読んでみようとホンキで思っている。