脱北者の悲劇  安田淳平さんの「謝罪」に違和感を抱く外国人記者

今、NHKBS1で「脱北者終わらない旅」という長い番組を見ている。
米朝・南北それぞれの宥和ムードで、在韓国の脱北者に対する非難や排除的傾向が強まっていて、非常に生きづらくなっているという。
(多くの場合は脱北者であることを秘しながら)韓国で平穏な生活を送っていたのに、知られると仕事を削られたり公然と「北に帰れ」と言われたりしているという。
危険でもあるので、今や「脱南」をして海外への移住を考える人も増えているというのだから、いつもながら韓国は理解しにくい国だと思う。
韓国(人)の国民性というものなのだろうか?
歴史的に3国に分かれて闘い合っていた長い歴史のせいなのだろうか、「同じ民族」を唱えながらもなかなか根本的な相互理解に達することがないように見える。
あるいは韓国(朝鮮)人特有の「恨(ハン)」の情念に基づくのだろうか?
原因はともあれ、中国でも脱北者に対する排他的な圧力が強まっているという。
以前北京のレストランで働いていた脱北ウエイトレス12人に対し、中国では北に送還する決定がなされていて、韓国政府もハッキリそれを阻もうという姿勢を示せない状況だという。
言うまでもなく、脱北者が北に送還されたら殺されるか拷問されるか、最悪の状況が待っているだけだ。
批判者を平気で殺す最悪国家はサウジやロシアだけではない、それでも闘う人がいて、それを報道しようとする人もいる。
改めて安田淳平さんの無事帰国を喜びたいが、今は日本人の国民性を顧みる記事を読んだばかり。
今日の朝日新聞で、記者会見で安田さんが謝罪したことに対しては、外国人ジャーナリストが違和感を抱いたとか。
フランス人ジャーナリストの西村カリンさんが、《フランス人記者なら、心配してくれた方々に感謝するだろうが、謝罪はしない。》と語ったとのこと。
2014年シリアで拘束された4人のジャーナリストが解放された際に、当時のオランド大統領は《報道の自由に尽くす、優秀な同胞がいることを誇りに思う》と出迎えたそうだ。
心の狭い橋下徹だけでなく、まずは「謝罪」から始めることを期待してしまうのは日本人の心性によるということか、あるいは文化の違いと言うべきか。
いずれにしろ安田さんに対するバッシングは、視野の狭い日本人独特のものだという自覚を持ってもらいたいものだ。