漱石  中島国彦

昨日に続いて古新聞(気になって保存しておいた切り抜き)から。
10月12日の朝日にチョッとした漱石特集が掲載されていた。
奥泉光の講演が紹介されていたけれど、漱石文学の主題が「人と交われぬ孤独」だと説いたとのことだけれど、全然新味がないのはザンネン。
今どき漱石で新しいことを言おうというのは無理だろうけど、そもそも奥泉光自身の講演(むかし昭和文学会だったかな)は面白かったけど、彼の小説は朝日の連載にチャレンジしたもののあまりにツマラナ過ぎて放棄したことがある。
批評は面白いけど小説はツマラナイとボクが感じているのは、他にも島田雅彦高橋源一郎などがいる。
この2人の批評はメチャ面白い、島田は文学論で高橋は政治・社会など。
でも島田の小説は自主ゼミ生が時々取り上げてくれたので読む機会を得たけれど、楽しめなかったナ。
高橋の方は話題になった文壇小説(?)の連載を朝日で読み始めたけれど、これも1・2回のところですぐ挫折してしまった。


それはともあれ、奥泉の記事は無駄に近かったけれど、その下段に紹介されている中島国彦漱石の地図帳』(大修館書店)はこれまでにない面白さ。
以前ブログでも紹介した本だけれど、それを例文を示しながら分かりやすく説いているので、改めて分析の鋭さ・興味深さを感じたのでおススメ!
紹介記事は坂や大地の高低差が心裡の動きを示していると記しているから、それだけでも本書のユニークさが伝わるだろう、買うべし・読むべし!