石川淳「紫苑物語」のオペラ  佐々木幹郎  大野和士  西村朗  

石川淳を専門にしている関口雄士クンからの情報で、今夜「紫苑物語」のオペラをBSプレミアムで放映すると知ったので、原作を読み返しながら(むかし立教大院で取り上げたのだったか?)観ているところ(間もなく終わる)。

台本が詩人の佐々木幹郎さんで作曲が西村朗、指揮が大野和士で演出が笈田ヨシと聞けば誰でも食指が動くことだろうが、個人的には日本語のオペラはいつもながら入っていけない。

上演までの4人の協力と葛藤が映されてすごく興味深かったものの、おそらく小澤征爾以上の実力者・大野和士の指揮とはいえどオペラ自体はやはり楽しめなかった。

小説を読みながら聴いていたけれど、読んだ形跡は残っているのに内容を全く覚えていないのには吾ながら呆れたネ。

最初のうちは配役の単独の科白(せりふ)が少なく、西村朗の音楽が前景化していて聴けたけれど、アリア(歌)を少な目にした科白劇な印象の重唱などシラケルことが多かったナ。

楽しめなかったのはひとえに鑑賞能力に欠けたボクの側の責任だと思うので、再放送などがあれば皆さんは楽しんでもらいたいと願ってます。

 

「紫苑物語」の後は常任指揮者(?)シャイイ指揮・ルツェルン祝祭管弦楽団の去年の録画で、オール・ラヴェルのプログラムが始まったところ。

ルツェルンと言えば、ガンに罹患してベルリン・フィルを辞めたアバドが痩身でマーラーブルックナー等の名演を残してくれた楽団。

シャイイも間違いなく一流の指揮者で、ボクもベートーベンの「合唱付き」シンフォニーを生で聴いたことがあって、オケがイタリア(フィレンツェだったかな?)だったのでほとんどイタリアオペラの音が聴こえていたので苦笑しつつ楽しんだ記憶がある。

この組み合わせならラヴェルでも何でも楽しんで聴けるとは思うものの、ラヴェルの曲はほぼ全て似合わないシャイイ以外の指揮者(ブレーズやデュトワなど)で録画済みなので、寝ることにしよう。