七七舎  香月泰男  ジョイス  桶谷秀昭

開拓民の話を枕にして、その番組を見ながらブログの更新をしようとしたのだけれど、独立した記事にまで膨れ上がってしまった。

実は昨日ヒザの病院に行き、先週に続いてほとんど違和感が無くなったと伝えて、注射もマッサージの予約もせずに患部を暖めただけで解放してもらった。

帰りに国分寺北口徒歩3分の七七舎(しちしちしゃ)へ寄ったら店を広げていて(2週間ほど工事してたナ)、100円コーナーが一段と充実していてビックリ。

カバンが重かったので、3冊に絞って買って帰った。

前回重くなるので見送った「世界の文学」(中央公論社)のモラヴィアの巻が残っていたのでまずゲット、嬉しかったのは『月刊美術』1995年のバックナンバーがあって香月(かずき)泰男の特集が載っていたこと。

シベリアでソ連の捕虜として極寒の中で重労働を強いられた体験を独特なメチエで表現した作品群を、以前ひと目で好きになってからのファン。

珍しい立花隆『シベリア鎮魂歌―ー香月泰男の世界』(文藝春秋)も持っているし。

むかし中原中也の研究会(?)が小林秀雄特集を企画して呼んでくれた際に、ラッキーにも山口が故郷である香月の小展覧会を観て画集もゲットして帰った次第。

ゲットした雑誌には、ボクの知らなかった(画集にもカラーでは載ってない)香月の幅広い作品世界が紹介されていて、久しぶりに画集まで取り出して観始めている。

もう1冊はジョイスの『フェネガンズ・ウェイク Ⅰ・Ⅱ』(柳瀬尚紀訳、1991年)、刊行当時とても話題になったのは、ジョイスが死後50年後の公刊を遺言していた書だったから。

流行にはハナから背を向けるタチだから当時はスルーしていたけれど、立教大院の授業を担当していた頃だったか、大塩竜也クンから「『ユリシーズ』の《意識の流れ》を極端に推進したもの」という印象を聴いて以来、気になっていた作品。

定価4800円の話題作が100円なら、買わない理由はない。

出だしを読んだら、柳瀬さん自家薬篭中の訳し方なのは伝わってくるけど、難解すぎる本文と対照できないから、せっかくの工夫が伝わらないのは残念。

この際と思い、桶谷秀昭の初期作品『ジェイムス・ジョイス』(紀伊国屋新書、1964年)を取り出してきて読む気になっているところ。

もちろんこの書には「フィネガンズ~」は取り上げられていないし、その後の桶谷さんは外国文学に関する評論は出していない。

 

帰宅途中でもう1つラッキーな出会いがあった。

何とコイちゃんから声をかけられてビックリ!

学部卒ながら助手を1年間勤めてくれたシッカリ者、小出という本名を明かせば思い出しやすいかな。

その後就職したサレジオ学園に勤務し続けているそうで何より。

教員を辞めざるをえない仲間が少なくない中で、コイちゃんがガンバッテいるのは嬉しい情報。

国分寺駅前で「せんせい、ヒグラシゼミですか?」と声をかけられたのだけど、ゼミは無理でも呑み部に来るように誘っておいたので楽しみにしている。