手塚治虫「火の鳥」の小説化  桜庭一樹

手塚治虫のファンは世代を超えてたくさんいるだろうけど、「火の鳥」が小説化され始めているという情報は届いているかな? 朝日新聞の土曜版に桜庭一樹が「大地編」を小説に書き直して連載しているのだナ、今回は第2回。

個人的にはファンでもないし、それほど打ち込んで読んだ記憶もなく、手塚治虫という存在の偉大さはけっこう最近になって知ったという遅参モノなんだけどネ。以前BSプレミアムだったかで手塚の世界を丁寧に解説している長時間の番組があって(それ自体が再放送だったかも)、アトムのような科学マンガのみならず少女マンガまでもが手塚が始めたものだと教えられ、改めてスゴイ人だと知らされて興味を抱いた次第。

アトムは子供の頃に人並みに読んでいたかもしれないけれど、小学生時代のお気に入りのマンガは白土三平だったのだナ。それが大学生になって茶店レオで『ガロ』の「カムイ外伝」を見て、それが白土作品だったのでビックリしたのを覚えている。でも手塚作品の記憶はほぼ何も残っていないくらいの程度なンだネ。

遅まきながらいつ買ったのか(10年は経ってるかな)、「火の鳥」の4冊は古書店でゲットしてあるのだけれど未読のままで(「大地編」は無し)、マンガ自体が読みにくいのは自覚している。

小説ならどうかと期待して桜庭の小説を読み始めたら、かなりイケテて面白い。桜庭と言えば、トミー君が卒論で論じたというのを後で聞いたことがあり、一樹とはいえ女性だとも教えてくれた。まだ2回分しか読んでないけど、とても筆力のある作家だと感心している。場面を喚起させる文章は、マンガよりも豊かじゃないかな。桜庭の他の小説まで読む気にはならないけど、「火の鳥」の小説は皆さんにおススメ!

 

1つ気になったのは、「ロブノール湖」という表記があって間違いだネ。(ロブか)ノール(のどちらか)は湖という意味なので「ロブ湖」と記すべきところだと思うヨ。中学生の頃だったか、3年間に5冊も読書してなかったけど、中央アジア探検記のようなものを読んで知ったことなんだけど。ハングルという言葉に既に「語」の意味が含まれているから、「ハングル語」と言ったら間違いのようにネ。