【読む】 ロブグリエの「嫉妬」ではなく、「去年マリエンバードで」だった

先日の木村仁志クンの論文を取り出したら、「去年マリエンバードで」論だった。なぜ「嫉妬」と勘違いしたかというと、ラジオ放送大学「文学批評への招待」で山田広昭さんが解説していたので読もうという気になり、数ヶ月前にユウ君に頼んでアマゾンに注文してもらったのだった。解説はジュネットの『物語の詩学―ー続・物語のディスクール』で論じられている内容を噛み砕いたものだけれど、ボクがすごく読みにくさを感じた理由もよく理解できた気になった。まだ数ページしか読んでないけど、これからは読みやすくなりそう。

ボケて勘違いしたけれど、安吾研究会で木村クンと嬉しい再開を果たし、筑波大学でロブグリエを研究していると知って種々教えてもらいながら帰ったのだけど、後で「去年~」論を送ってもらったのだった。こちらの作品はずいぶん前に筑摩の世界文学シリーズの『アンチ・ロマン』(サロート等と一緒)をゲットしてあったので、退職後の読書として楽しみにしていたもの。ロブグリエ自身が監督した映画もテレビで1部分見ただけなので、再放送を期待しているけど、小説と木村クンの論文を読むのが先になりそう。

それにしても「嫉妬」にしろ映画「去年マリエンバードで」にしても、さらに前に記したジョイスの「フィネガンズウェイク」にしても、学部生の頃に本屋などで見かけながらも自分とは無縁だと思っていたものを、残り少ないジンセイの時間の中で読むことになるとはネ。

まさにジンセイの不思議ということかな。