【観る】三島由紀夫「サド侯爵夫人」  ベケット「ゴドーを待ちながら」

蒼井優とヤマちゃんの話題はもう一段落したかな、それ自体はどうでもイイけど。それにしても2人の間に「格差」を強調し過ぎていたと思うナ、ヤマちゃんはブサイクでも、蒼井優ってそれほどの美人とも思えないのだけどネ。ただし演技力はスゴイ。

ヤマちゃんの性格の良さを強調して「格差」を縮めようと「弁護」した発言が多かったけど、何よりも清潔感があるよネ。有吉やふかわりょう、そしてチョッと意外だったけど若林たちはごくフツーにカネでオンナを買っていると発言しているけど、ヤマちゃんにはその手のウワサを聞いたことないからネ。

ともあれ前振りはそこまでとして蒼井優の演技ネ。数年前にBSプレミアム劇場で「サド侯爵夫人」を放映したのだけど、主役の夫人を誰が演じるのかと思っていたら、童顔であまり適役とも思えない女優だったのだナ。でも観ているうちに惹き込まれていったのは演技の力、それが蒼井優だったしだい。女優は殊の外名前と人物が一致できないけど、改めて蒼井優を舞台女優として認知したネ。

三島は小説よりも戯曲だと思うし、傑作「近代能楽集」の全作品についての論はいま準備中の『シドク Ⅱ』に収録予定だけど、もう1つの傑作「サド侯爵夫人」の上記公演はブルーレイは録画してあるから、希望者にお貸しします。新潮文庫で読んでも三島の戯曲は面白いし、「わが友ヒットラー」とカップリングされているのもお得だヨ。

 

舞台の話になったから、もう1つ。朝日新聞が2度も紹介・特集している「ゴドーを待ちながら」も絶対おススメだネ。20世紀の傑作という評価に間違いはない。太宰の「待つ」を取り上げる時に引き合いに出されることも多いと思うけど、ゴドーという男を2人の男が待ちながら、取るにたりない話をえんえんと続けるだけの戯曲。最後までゴドーは現れないのは、ゴドーがゴッドに類似した響きで救済の表象(と読まれることが多い)だからだネ。(20世紀の)人類に救いは無いというメッセージというしだい。

白水社の『ベケット戯曲全集』でしか読めないと思うけど、図書館にあると思うヨ。高橋康也というスゴイ英文学者が、入院する時の楽しみは「ゴドー~」を(英語や仏語で?)読むことだと言っていたのはサスガだと思ったネ。そのくらい何でもない会話が充実しているということだろネ。ジョン・ダンをテキストにした授業を受けた高橋先生は間もなく逝去されたけど、『道化の文学』(中公新書)は楽しみながらとっても勉強になるからおススメだヨ。

これは死をひかえた頃の尾形拳と串田和美の2人が演じた舞台のビデオを持っていると思うから、お貸しします。新聞で取り上げられたのは、多田淳之介演出で大高洋夫茂山千之丞の2人が演じている神奈川芸術劇場を紹介している。12~23日までだそうで、連絡は

 0570-015-415 とのこと。

男優についても無知だと痛感したけど、大高という役者はテレビで極致に行く係りの人かな? 千之丞というのは狂言役者かな? ボクがナマで観たのは、むかし吉祥寺にあった結城座というマリオネット劇団の公演だった(現在は活動拠点を移していると思う)。40年以上前の吉祥寺は、今とは全然別のひなびた感じの町だったヨ。結城座には何度か通ったけど、狭い小屋にぎゅう詰めにされて坐らされ、汗まみれになって観たのを覚えている。その頃、セントルイスという漫才ペアも「ゴドー~」を演じたと聞いたけど、観てない。