「落語ディーパ」その2  柳家喬太郎、ただ者にあらず  「死神」      小痴楽  歌丸

 今日も偶然「落語ディーパ」で出くわし、「死神」特集の後半を見た。ゲストは喬太郎のままで、そのインテリぶりに驚いたネ。「死神」がイタリア・オペラやグリム童話に由来すると教えられたし、イタリア・オペラの最高峰だと思っている「トスカ」(プッチーニ)を元にした落語があり、「錦の舞衣(まいぎぬ)」というのがそれとのこと。聴いたことのない落語だナ。

 ともあれ喬太郎がただ者じゃないことを、2日続けて見せ付けられたネ。ということは、今回もほぼ発言の出番の無かった東出昌大が、落語ファンを自慢していながも「頭の悪い優等生」であることも反照されたということだけど。

 「死神」は大好きな談志が面白かったけど、昔の圓生の映像も良かったネ。例の呪文の最後に、話した当時の話題だったらしい「コウエイヘイ(紅衛兵)」を付けたのは笑えたナ。下手だと思っている先代の円楽も、死神の見た目が「100歳か、200歳か、300歳・・・」だと言うところだけは笑えた。人は良いけど落語家としては、とても人間国宝の名に値しないと思う小三治も、全盛期の映像だったのか、「死神」は聴けたナ。

 いつも若手の落語家3人がレギュラーとして出ているのだけど、個人的には小痴楽はやはり一番惹かれるナ。子供の頃に有名だった痴楽の綴り方教室はあまり面白くなかったけど、その後登場しながら若くして消えた(死んだ?)小痴楽も知的で楽しめたものだ。その小痴楽とは芸風が異なるものの、今の小痴楽は期待できる。彼はよく歌丸の話をするけど、歌丸に「札入れ」とかいう演目を習いに行ったら、「今の若いオマエがやると、イヤらしい話にしかならないから止めろ」と言われあそうで、さすがは歌丸だと感心したネ。