【見る】大江健三郎「燃えあがる緑の木」  「100分で名著」  伊集院光  小野正嗣

 Eテレの番組「100分で名著」については度々紹介してきたけど、今は大江の長篇「燃える緑の木」が取り上げられている。講師は芥川賞作家で立大のフランス語教員・小野正嗣さん。日曜美術館のMCもやっているけど、美術の方はあまり得意ではないようながら、生来の好感度で視聴者に歓迎されている模様。同じ美術不得意でも、千住明のようにいかにも分かっているように見せたがる嫌味が全然無い。千住は無芸でバカな点では小木博明おぎやはぎの添え物の方)と同類で、不快感を誘うだけ。幸い千住明のバカは最近見かけなくなって清々しているけど、小木のバカは矢作の愛嬌のお蔭で出番が多いので困ったもンだ。

 ともあれ作家としての小野さんは受賞作を(持ってはいるものの)読んでないので、その実力の程は知らない。放送大学で「世界文学への招待」のMCも担当しているけど、こちらは専門だけにそれなりの理解を示している。番組での解説も無難にこなしているけれど、MCの伊集院光の理解力にタジタジとなっているのが面白い。何度も記してきたけど、伊集院の能力はハンパナイので先日の2回目では、小野さんは1度ならず

伊集院の理解の仕方に圧倒されていた。「その読み方、ボクがやったことにしてくれませんか。」とまで言っていたのは笑えた。

 伊集院は以前カフカの時の第4回で、ゲストに呼ばれた内田樹も「この人、何でこんなに分かってるの?」と驚いていたけど、確かに伊集院の理解は深くて広い。前にも記したけど、クイズ番組で無駄な知識を競うなどという時間の浪費などせずに、まともな勉強をした方がイイね。

 

 大江の作品について書くのを忘れたけど、番組があまり面白くないのは大江作品のせいだネ。《救済》という話題が古くてツマラナイのだナ、「個人的な体験」で大江は終ったという偏見を抱いたまま今日に至っているけど、訂正の必要を覚えないものネ。自家に「燃えあがる緑の木」(第一部)の文庫があったナと思い、探し出して見たら100頁以上読んだ形跡があったのでビックリしたナ。まるで記憶にないからネ。ハルキは読んで楽しめるけど、大江は面白くないのでなかなか作品に入っていけないもンね。

 番組は月曜夜10時25分から、再放送は水曜朝6時半からと昼0時からネ。