【読む】「ユリシーズ」  柳瀬尚紀  丸谷才一  野中潤  『村上春樹と二十一世紀』(おうふう)

 7・8月はずっと『シドクⅡ』の原稿チェックに集中していたけれど、昨日(23日)からはゲラ(校正刷り)のチェックに入ったので刊行が見えてきて楽しみだ。ゲラが来る前までは『シドクⅡ』が残した課題のための読書を中心にしていたけれど、「ユリシーズ」の覗き読みを始めたらそちらが面白くなって困っていたところだった。柳瀬尚紀さんの読み方『ジェイムズ・ジョイスの謎を解く』(岩波新書)は挑発的で興味深いけど、テクスト自体がムズカシイのに面白いのだナ。丸谷才一たちの訳(集英社)は厖大な注があってそれがまた面白いのだけど、詳し過ぎてなかなか読み進めない。

 

 原稿チェックの前後にはツクホーシの「海辺のカフカ」発表を契機に、宇佐美毅・千田洋幸編のハルキ・シリーズの『村上春樹と二十一世紀』(おうふう)の野中潤さんの「海辺のカフカ」論を読んだりして、ブログに感想を書いたと思うけど違うかナ? 記憶違いだったら、改めて書くつもりだけど。

 

 原稿チェックに時間をかけたお蔭で、ゲラの方は近日中に終らせるので皆さんの要望にはお応えする用意がは十分あります。先般に続いて今日、ヒグラシゼミで発表したものを論文にしたものを受け取ったので、ゲラ・チェックが終りしだい読んで感想・問題点を返すつもり。『シドクⅡ』がらみもあって10・11月はあまり土日で空いている日がないけれど、ぜひとも発表したいという人がいれば相談したいと思います。