「壇一雄」じゃなくて「檀一雄」だヨ!  『シドクⅡ』の出版は早くても10月末です

 早くも朝日新聞の「朝日出版情報」の欄(10月5日の28面)に『しどくⅡ』が載っていると聞いて驚いたけれど(本ができ上がるのが早くても10月末と聞いている)、「太宰・安吾に壇・三島」と記されていると注意されてさらにビックリしたヨ。

実はカネシロー画伯が描いてくれた表紙カヴァーでも、当初は「檀」ではなくて「壇」になっていたのを訂正してもらった経緯がある。ことほど左様に檀一雄が忘れ去られた存在になっている証左なんだろネ。ボクの論(殊に「火宅の人」論)が檀一雄再評価の機縁になることを期待しているヨ。「壇ふみ」ならぬチョッとインテリの「檀ふみ」さんなら、ボクの論を理解してもらえるだろうから、読めばきっと喜んでくれるものと確信しているネ。実は「檀」の字に似ている漢字には、「旦」の部分が「且」になっているセンというのもあって、その手の間違いもありそうなヤッカイな字だネ。

 昔、『解釈と鑑賞』の太宰特集に「女生徒」論を書いた時、目次には「女性徒」と記されていてビックリ仰天! 当時勤務していた宇都宮大学の同僚だった、故・小池清治さんから「関谷さんらしくてイイね」と言われたのを覚えている。『シドクⅡ』に収録した「三島由紀夫由紀夫小説の二重性」を載せた時も、『現代文学史研究』の表紙には「三島由起夫」と誤記されていたのだネ。自分の責任ではないところで作家名を間違われても、タチの悪い研究者はボクに対するコンプレックスを晴らすネタにするだろうから困るのだナ。

 それにしてもあと1ケ月はかかりそうな拙著が今にも出版されそうな情報が流れてしまうと、「なぜ自分には送ってこないのか?」という疑問を抱かれてしまいそうで困っているヨ。ご本をお贈り下さった方々には当然お送りするつもりでいるので、『シドクⅡ』の出版はあと1ケ月ほど先になるという情報を流してくれるとありがたいネ。