【読む】受贈した著書受贈(追補) 「こころ」論  関谷由美子『〈磁場〉の漱石』 

 1冊忘れていたヨ、小林幸夫他[編著]『世界から読む漱石「こころ」』(勉誠出版、2016年、2000円)という論文集を、執筆している関谷由美子さんが送ってくれたのだった。「こころ」論は昔ウンザリした記憶があるので、受け付けないのだネ。だからもらいっぱなしで放置してあったので、忘れていたのだネ、関谷さんには申し訳ないけど。自分と同名なので、「関谷さん」と記すのは違和感あるネ、いつもながら。昔は縁者かとたびたび間違われたことがあったけど、残念ながら全然つながりのない方。由美子さんは東京生まれでボクは群馬だしネ。ご主人の石井さんとは、むかし近代文学会の運営委員会でご一緒したかな。

 この本には尿漏れ仲間のサッチャン(小林幸夫)のみならず、ヒグラシゼミの講演者・高田知波さん始め15人近くの論者が執筆しているので、教員業の人には特におススメです。由美子さんは「ロマン的〈異形性〉のために」という副題が付された「こころ」論を載せているので、何やらゆかしく(読みたく)感じるけど、それよりも以前頂戴したまま本棚に並べてある『〈磁場〉の漱石 時計はいつも狂っている』(翰林書房、2013年、2800円)の方に惹かれている。漱石本はほとんどロフトに片付けてあるのだけど、この本は気になるので手許の本棚に並べてあるのだネ。第十章までの論考に付された魅力的な副題が、他の漱石本にはない異彩を放っているので気になるのだネ。出版騒ぎが落ち着いてきたので、そろそろ溜まったままの本や論文を拝読する愉しみに浸りたいものだヨ。