【観る】ゴッホ展

 上野の森美術館ゴッホ展をやっていて(1月13日まで)、好きな画家であるのみならず小林秀雄も「ゴッホの手紙」という長編評論を書いているので、ぜひ観ておきたいとは思っていた。でもこの美術館はいつも長蛇の列のイメージが強くて、以前にも諦めて帰ったこともあるので心配していたものである。意を決して18日に早めに出掛けようと思ったものの、実際に自家を出たのは11時過ぎていたけど、何と並ばずに入れたのは嬉しい限り。帰りにはチケット売り場に20人ほど並んでいたけど、上野の美術館・博物館のチケットはJRの公園口改札の傍にある売り場で簡単に入手できるから、覚えておくとイイね。

 ともあれすぐに入れたものの、予想どおりの混雑で最初の展示作品を観るのは一苦労、ご多分にもれずオバハンやガキがうるさいのが邪魔くさい。いつものように狙ったものを先に観ようと思って先を急いだものの、ゴッホが中心だから混雑した観客の隙間を見つけるとすぐに割り込んで観てしまう。ゴッホであるかぎり興味があるから問題ないので、そのやり方でいちおう最後まで観た次第。目玉と思われる「糸杉」があまりピンと来なかったのは、それまでたくさんの作品を観た後だったからかな? サン・レミ(精神科入院)時代の中では確かに「糸杉」が作品としては代表するのだろうけれど、最後に置かれていた力尽きた感じの絵の方がインパクトあったネ。

 ゴッホで一番印象に残ったのは「男の肖像」で、見覚えのある作品だけどこれほどゴッホらしからぬ感じがしたのは初めてだネ。ゴッホ以後の新しさを覚えたのは見方が間違っているからかな? 「ぶらぶら美術展」のマリコさんが今年の5点に入れた自画像は、テレビで観た時と同じくイイものとは思えなかったネ。イタズラ描きの印象は拭えなかったヨ、マリコさんは好きだけど(彼女が出るお蔭で小木博明のバカを我慢できるのだナ)。

 

 ゴッホ展とはいいながら、初期の彼に影響を与えたハーグ派の画家・作品もたくさん展示されていて勉強になったけど、絵画として面白いものではないと感じたネ。印象派の画家が1~3点ずつ展示されていたけれど、目録に載ってないドガパステル画「踊り子」と前回失望したばかりのシスレーの「シュレーヌのセーヌ川」は気に入ったナ。何よりも収穫だったのはモンティセリの存在と作品3点が嬉しい発見! 名前を聞いたことある程度の画家だったけど、これほど見応えいがある作品があったとは!

 とにかく盛りだくさんの展覧会だから、1800円も高くないのでおススメ!