9日は佐藤春夫  「陰翳礼讃」の感想(続き)

9日は佐藤春夫「美しき町」をセンさんが発表します。
最後の授業なので、TAとして大活躍してくれた関口クンと、ガンバッタ1年生の慰労のための打ち上げをする予定です。


前回のヤン君の「陰翳礼讃」論に対する感想の続きは以下の通りです。
ヤン君は谷崎の著名なフット・フェティシズムに言及しながら、
《その点について、「部分が成り立つと同時に、全体が成り立ち、全体が成り立つと同時に部分が成り立つ」と永栄啓伸も論じたことがある。このように、部分と全体と合一することで、永遠女性は初めて成立するようになると思う。》
と論じているが大いに疑問だ。
永栄さんがどういう文脈で引用された箇所を書いたのかは不明ながら、私の理解ではフェティシズムとは部分を全体から切り離して味わうのであり、「部分と全体と合一することで」成立するものではないと思う。
谷崎の作品に登場するフェティシズム志向の人物たちは、女の足を舐めたり抱きしめたりしながら、その女の全体像をイメージしているようには伝わってこない。
私にはその種の志向が無いので誤解しているかもしれないけれど、永栄さんやヤン君の方が分かってない可能性の方が大ではあるまいか。
その手の「専門家」のご教示を請いたいと思うので、関谷までメールなりお手紙で教えて下さい。