【見る】太田光は終った!  神田松之丞の時代到来    ブレヒト「マハゴニー市の興亡」

 BSプレミアム・シアター(午前0時~)でブレヒトの歌劇「マハゴニー市の興亡」(作曲はクルト・ヴァイル)をやるというので見始めたけど、予想どおりツマラナイ(ボクの鑑賞能力を超えている)ので、横目で見ながらブログを更新することにした。

代表作で有名な「三文オペラ」はけっこう楽しめる曲もあるので、数曲はミルバの歌で録音もしてあるけれど、「マハゴニー」の方は初めて聴くせいもあるだろうけど、全然楽しめない。そもそもブレヒトは著名ながら惹かれるものが無いナ、むかし仲代達也が老いた母親役をやっていた「肝っ玉おっかあ」もブレヒトだったと思うけど、何が面白いのか理解できなかったしネ。あと2時間弱続くようだけど、とても最後まで見て(聴いて)いられそうもないナ。

 

 ツマラナイと言えば、このところ見かける爆笑問題太田光もとり得のない芸人に落ちてしまった感じだネ。そんな感じを持ったのは「爆笑問題のシンパイ賞」(土曜午前0時50分~)という番組を数回見たせいかナ(今回2度目の言及)。神田松之丞と2人でバカ話をするだけの番組なんだけど、松之丞の面白さ・スゴサが際立つばかりで、太田のツマラナサが反照されるばかりなンだナ。太田が大声でハシャグばかりの一方、松之丞は極めて冷静に太田を見て評していてその言葉が一々面白い。先輩の太田を過剰と思えるほど立てる態度を通しているところがエライし、本来の講談の語りだけ以外でも聴かせる声と言葉が芸を崩していない。落語をやらせても十分通じると思わせるネ。

 落語といえば立川談志が太田を高く評価していたのは周知のことだろうけど、談志が松之丞を知っていれば太田をそれほど評価しなかったのではないかと思わせるネ。談志が太田の何を(どこを)評価したのか知らないけれど、向田邦子のドラマの講座もキレがなかったし(以前記した)、コンビの田中なしに太田独りで評価される点が見当たらないネ。「爆笑問題のシンパイ賞」ではまさに芸の無いところをさらすばかりで、松之丞の芸や才能を際立たせるための存在でしかないナ。

 先日はボクの嫌いなシロウトのカラオケを始めて(弘中アナにまで歌わせたのも余計)、声も良くない太田が下手な歌を披露するのを聞かされてウンザリしたものだ。その点、松之丞はカラオケに抵抗し続けていたものの、無理強いされて1曲だけ歌った(何と尾崎豊の歌)ものの、それが太田と比べるまでもなく上手かったので感心しつつ笑えたネ。松之丞によって太田のヘタクソぶりが強調されたので笑えたのだけれど、数曲歌った(幸い1曲以外はカットされていた)という太田には己の声の悪さと歌の下手ぶりが自覚できていなかった模様。

 デビューして間もない頃の、「心配性」な感じの太田のイメージは完全に失われて、どこにでもいる恥知らずに独りハシャいでいるオヤジになり下がった太田の情けない姿があるばかり。太田光は終った! と印象づけたのは、松之丞の豊富な才能と面白さだけど、ズバ抜けた講談の語りだけでなく、彼の落語を聴きたくなっているのはボクだけじゃない気がするのだけどネ。

 (「マハゴニー市の興亡」はますますツマラナイ)