【状況への失言】コロナウィルス(の原因)  「デカメロン」  漱石作品

 被災地・被災者を忘れて舞い上がったオリンピックが中止(延期)になる可能性という話題には、まさかと思っていただけに元気が出たネ。被災地では「何が復興オリンピックだ!」というデモまであったというのに、彼らを忘れ果てて己の快楽にふける生き方には同調できないのだナ。フクシマ(東北の被災地の代名詞)のみならず、戦後日本の犠牲になり続けている沖縄では、果たしてオリンピック騒ぎで盛り上がっているだろうか?! コロナのお蔭でオリンピックが揺れているのは痛快ながらも、経済的に大ピンチになりつつあるのは想定外で、新たな被害者を生み出しているのは痛切だネ。しかしせめて被災地・被災者に「思い」を「やる」=《思いやる》機会にしてもらいたいものだ。

 コロナ発生の原因にも無知だったのだけれど、幸い朝日新聞の日曜版の「サイエンス」の欄が説明してくれている。この欄の不思議は、4コマ漫画では問題児の「ののちゃん」と不良教員である藤原先生の2人が、お互いマジメに質問と解答をしているところだ。いつもの藤原先生とは大違いで、どんな質問にも詳しい説明をしているので違和感があるのも笑えるかな。

 20年近く前のサーズと同様に、コロナも感染していたウイルスと共生しているコウモリから家畜に移り、そこから人に感染するとのこと。感染してもコウモリには症状が出ないのだそうだ。開拓の名の自然破壊により、住みかを失ったコウモリの居場所が人里に進出したせいで、ヒトへ感染するようになったのだネ。コロナ感染も人災だったという次第。

 

 当初コロナ感染から身を守るために都市を封鎖したり、自家に閉じこもったりしている話を聞いた時に、ボッカチョの「デカメロン」がペストから郊外へ逃れた貴人たちが、退屈しのぎに話をし合ったという設定が思い出されたものだ。世界のあちこちで死者が出始めたら、昔スペイン風邪で世界中で死者が出たという、日本の小説の記述にリアリティを感じたネ。漱石の作品にも(具体的な作品名を言う自信がないけど、著名な三部作のどれかだと思う)スペイン風邪で親族か友人が死んだという叙述があったのは確か、見つけたら教えておくれ。