【見る】磯田通史  スペイン風邪  エゴン・シーレ  与謝野晶子

 「英雄たちの選択」の魅力は中野信子さんと杉浦友紀さんの女性美も大きいけど、長者番組(?)を支えているのは何といっても磯田道史さんの力量だネ、何度も書いたけど。単なる古文書に埋もれた研究者なぞに止まらず、津波などの災害に対する防災意識も強く持って歴史を探っているし、太平洋戦争などという愚策に落ち込んでしまった日本の黒歴史の原因を探る意識も保持しているので、時々驚かされるヨ。明治の薩長の暴走が太平洋戦争に直結しているとか、平安鎌倉の政治的発想が太平洋戦争の大元だと言われると、その幅広い歴史観に圧倒されるネ。

 今日もNHKBS1の「ウィルスVS人類3」という番組で、自宅からテレワークで参加して有益な発言をしていたヨ。ボクも個人的にはとても興味を覚えていたスペイン風邪を特集していたけど、そもそも磯田さんの先生である速水とかいう人がスペイン風邪を調べて本を出していたのだネ。番組からいろいろ教えてもらえたので、再放送があったら絶対おススメだネ。

 新しい知識としては(自分が忘れていただけかも)、画集を3・4種類も持っているほど大好きなエゴン・シーレクリムトの弟子とされる)が若死にしたのは、スペイン風邪が原因だったということ。生地も訪れたのに、死因を忘れていたヨ。別に長生きすればもっと素晴らしい作品を描いたとは言わないけどネ。それに与謝野晶子が10人の子供(たくさん育てたのは知ってた)と共に、家族全員がスペイン風邪に感染して大変な目に遭ったということネ。晶子の場合はそれに止まらず、政府の生ぬるい対策を批判しながら直言していたという素晴らしさ! 安倍晋三のバカにも進言してもらいたいネ。

 晶子は夫の鉄幹に仕えた封建的妻のイメージも強いかもしれないけど、青鞜(青踏と誤記しないように!)の「新しい女」たちの観念性先行の過ちとは一線を画した生き方を貫いた信頼できる人だヨ。今でいえば田嶋陽子のような大バカとは正反対の存在で、現実から逸脱せずに着実に考え・生き抜いた人だネ。一度何かで晶子の考え方に感心したことがあり、それが講談社文芸文庫に収録されていると知ったものの、今日までその文庫に出遭わないままなのが残念。ともあれ与謝野晶子に注目! タダモノではない。