【『シドクⅡ』の反響】中国の日本文学専攻の教員から

 中国の○○さん(中国の@@大学の教員で、ボクの在職中に留学してきた女性)から嬉しいメールが届いたので紹介します。

 

関谷先生

 ご無沙汰しております。コロナのおかげで異常な光景を呈したこのますます不可解な世の中に、まだ先生のような暖かくて強い人がいると思ったら、ちょっと元気になります。

上海では、1月~8月まで幼稚園は封鎖、そのせいで子供が常に周りをうろうろする。自分の時間はまったくありません。それをいいことに、読書を怠けてきました。反省しています。

先生の著書をいただいて一読してからだいぶ経ちました。今読み返してやはり初印象とは変わりません。もっとも心が打たれるのは檀一雄の「火宅の人」論と三島由紀夫の「金閣寺」論です。それは私が原作を読むときに言葉に収束できなかった感覚を先生がうまく言い当てたからです。<生のエネルギー>の持ち主としての檀一雄と<衝動の模倣><若年に描いた自己像へアイデンティファイし続けた>三島が読めた先生に憧れます。

感覚をもとに、もっと論理的に言葉を磨かなければならない。先生の著書を読んで改めて思いました。

コロナがまだ余勢をふるっていますが、先生くれぐれもお体を大切にしてください。

 

 やっぱ、読めば感動する書物なのだネ、「読めば」だけどネ。

それにしても「火宅の人」と「金閣寺」論に着目しているところは、さすがに○○さんは頭が良くセンスも素晴らしいと感心するばかり。