【状況への失言】中島岳志(たけし)は信頼できる  バカな安倍昭恵を根底から批判  選挙民の恥・三原じゅんこを推す有馬晴海は信用できない

 朝日新聞の9月2日の「オピニオン&フォーラム」欄が面白いので一読をおススメだネ。テーマが「拝啓 安倍昭恵さま」で3人の識者が書いている中に、管伸子・元首相の夫人がいるのでそちらに注目が行きそうだけど、中島岳志さんが実に興味深い考察を示している。管夫人の、森友学園公文書改ざん問題で自死した財務省職員・赤木俊夫さんのことを考えると、ぜひ昭恵夫人本人から経緯を語って欲しいと言うのは、国民の声を代表しているだろう。昭恵の暴走を止められなかったのは、安倍一強体制の弊害だったというのも国民の捉え方だと言えるだろう。

 さて中島さんの意見がメチャ面白いのだけど、まず多くの人が「愚か」と思っているだろうけど、それなりに「筋が通って」いるので「社会問題」として理解すべきだとする。中島さんが昭恵に興味を抱いたのは、「家庭内野党」を自称しながら晋三とは異なる言動をしていたからだとのこと。だから教育勅語を暗誦させる森友学園の名誉校長を引き受けたからといって、彼女を「右」寄りになったと単純に左右の二元論で理解してはならないと言う。幼稚園の子供に安倍晋三を讃えさせるチープそのものの森友の手口に乗ってしまう昭恵は、ホンモノのバカだと思っていたので、中島さんが何故そんなことを言うのか不可解だったヨ。

 中島さんは昭恵に関する本は全部読んだ上で、彼女の中には一貫した論理があると言う。第一次安倍政権の際には、昭恵は自分らしさを求めて大学院に通いつつ、神社巡りにも傾倒したそうだ(知らんかった)。神社のスピリチュアルな世界観は自然回帰につながり、無農薬の「昭恵農場」を作ったり国産食材だけの居酒屋を作り(知らんかった)、「本質的な日本」や「日本の伝統」の世界に入って行ったとのこと。

 ここからがまた中島さんらしい分析なのだけど、昭恵のたどった流れは戦前からくり返されたもので、〈近代〉の行き詰まりを批判し(有名どころでは京都学派中心の「近代の超克」シンポジウム)農業を基盤とする伝統に回帰しようとした「農本主義」運動へという流れと共通すると言う。もちろんこれが「超国家主義」というチョー右翼へと接続して行ったわけだけど、昭恵の言動がこれだという分析はとても説得的だネ。

 こうした言動が排他的な愛国心へ向かうのは論理の飛躍ではあるものの、昭恵はこの道を歩んでいるのであり、彼女1人の「突拍子もない」ものではなく「社会現象」だとするのだネ。ネトウヨが流行るのとシンクロしているように(と言うのはイチローだけど)、これは我々の身近なところに起きている傾向だと結論づける。安倍政権が終っても、昭恵現象は終らないので、我々は注視を怠ってはならないと警告しているわけだ。

 

 (イチローを含む多くの人が)1人のバカ女の低能な言動だと言って済ましている問題を、実に歴史的かつユニークな分析で説明してくれるのでいたく納得できたヨ。やはりスゴイ人だネ。というのも中島さんはデビュー作の「中村屋のボース」以来、とても注目している人なンだネ(ボースは当初ガンジーと共に抗日運動をしていたけど、後に日本に協力的な立場に転じたインド人)。ずっと読んではいなかったのだけど、テレビによく出るので注目して見ていたネ、言うことがいちいち理にかなっていて説得力があるのだネ。「保守」的だと勘違いしているけれど、師と仰ぐ西部邁(すすむ)や西部が推奨していたオルテガのイメージのせいかな? 「100分 de 名著」でオルテガを担当していたのを聴いて中島さんの立場が理解できた気になったのだけど、ホンモノの「保守」は実はリベラルと呼ぶべきで、左右のいずれにかに傾いてしまうのがダメだということ。そういう意味では、日本にはホンモノの「保守」は見当たらないというのは事実だネ。

 調べたらたくさんの著書があるけど、古書店には見当たらなかったネ。地元の新刊書屋で一番欲しかった『保守と立憲』(スタンド・ブックス、1800円)があってラッキーだったので、読み始めてすぐに感心したネ。発言がホンモノらしい「保守」に貫かれているのが良く分かる。こういう人だからこそ、安倍昭恵をただのバカ女と片付けるのではなく、関係資料を読みこんだ上でキチンと分析して見せることができるわけだネ。文庫もたくさんあって一部ゲットしたけど、まだ読んでない。あんまりたくさん出しているので、先日注意を促したような「メディアに消費される存在」の怖れもあるかもしれないけど、『保守と立憲』は保証できるからおススメだヨ。

 

 中島さんと比べるのも失礼だけど、先日昼のフジテレビを見ていたら有馬晴海という政治評論家が、新しい政権の内閣に「知名度が高いから三原じゅんこもいいかも」と言っていたのには呆れたネ。昭恵よりも低能なのは間違いない三原じゅんこを大臣候補に推すとは、この評論家はレベルが低すぎるのじゃないかな? 皮肉や冗談なら許せるけど、そうでもない様子なのでブチ殴りたくなったヨ。そう言えば同じ番組で、元官僚の慶大教授からもダメ呼ばわりされていたネ。有馬の知的レベルを疑うけど、何より三原じゅんこを選出する神奈川○区の選挙民の知的レベルが低すぎるのだから、あの選挙区は恥ずかしいから日本から切り離すべきだヨ。